”生きている”を実感できた2週間
「はたらくこと」について、どんなイメージを抱きますか?
私は、会社やお店などどこかの職場に出向いて作業したりサービスを届けたりすることというイメージを持っていました。もちろん世の中には色々な働き方があるとは思いますが、自分がイメージしているように将来働くんだろうなと思っていました。しかし、くらしの学校「えん」に来てみて、その考えが変化しました。「えん」は塩作りを中心に、食と住の自給自足の生活を営んでいます。ここでは、職場と生活の場の垣根がありません。生きることが暮らしであり、暮らすことが生きることだと感じました。
生きるために暮らす。例えば、塩や醤油などの調味料、農作物など生活に不可欠なものを自分たちの手で作り出すこと。出来上がったものを購入して使うのが当たり前の生活だった私からしたら、これら全てが新鮮な体験でした。そして、生きるために必要なことって何だろうと改めて考えさせられました。同時に、幸せはお金だけで買えるものではないとも強く感じました。自然に囲まれて自然と共に暮らすこと、自分たちの手で必要なものを作り出すこと、人と食卓を囲むこと、子どもたちと全身使って思い切り遊ぶこと、世代関係なく色々な人とおしゃべりすること。普通のようで、現代では普通にできていないことだと思います。私は、こうした活動が心の豊かさにつながるのではないかと実感しました。
「えん」でのインターンを通して見えてきたのは、はたらくことの選択肢は思っているより多様であること・本当の幸せにつながるものとは何かということです。これは、きっと今までの生活の中では気づくことのなかったことだと思います。「えん」での生活や子どもたち、上五島の人たちとの出会いが気づかせてくれるきっかけになりました。
「えん」でのインターンを終えて、前の生活に戻った今、上五島での毎日は本当に楽しかったなぁと何度も振り返ります。
私の思い出の中に必ず映るのは、上五島で出会った人たちです。「えん」でお世話になった人たち、しま留学中の子どもたち、椿油絞りイベントに島中からやってきた地域の人たち。みんなの存在が、インターン中過ごした日々を特別なものにしてくれました。
上五島の価値や魅力って何だろう。それを決めるのには様々な要因があると思いますが、私は自然と人、そのときの感情が全部入り混じって決まるのではないかと思います。特に、人との出会いには大きな力があると感じます。今では、たくさんの温かい人たちと出会った上五島のことが大好きになったし、また何度も訪れたいと思う場所になりました。
上五島から離れてから以前の生活に戻りましたが、全てが同じというわけではありません。島キャンで知った、何でもやってみる楽しさ・人と関わることの温かさを忘れずに生きていきたいと思うようになったからです。自分が体験したことや感じた気持ち、してもらって嬉しかったこと… 今度は私が多くの人に還元していきたいという気持ちです。
島キャンで配属される就業先や出会う人は、それぞれ違います。私は、もともと直感的に島に興味がありましたが、上五島についてはほとんど何も知りませんでした。しかし、島キャンを経て、上五島や「えん」は私のもう一つの帰る場所であり、かけがえのない場所になりました。特に「えん」は何年も島キャン生を受け入れていて、私も過去の島キャン生のお話をたくさん聞きました。こうして島キャンを通じて人がつながっていくのも、魅力の一つだなと思います。
これから島キャンに参加する人には、何が起きるか分からないということ自体を楽しんでほしいと思います。島との出会いが、皆さんにいい影響を与えるきっかけとなりますように!