たくさんの魅力が溢れる徳之島
突然ですが最初に、私が ”島キャン” に参加した理由をお話します。普段、保育を専攻している私が島キャンに参加した理由は主に2つです。1つ目は、姉の影響です。昨年、姉が島キャンに参加し、日々送られてくるLINEや帰宅後の表情が以前よりも活き活きと明るくなっていた姿から、島でしか得られない体験に興味を抱くようになりました。2つ目は、リフレッシュです。この言い方だと、遊びに行ったのか!と誤解を招くかもしれませんが、そうではありません。実は、保育の就活時期と被っていてタームが始まる前日まで就職試験に追われ、帰宅後もすぐに別の就職試験が控えていました。そのような状況だったため、周囲の友人に話すと「お給料も出ないのに何のために行くの?」そんな言葉ばかり投げかけられました。友人のいうことも確かに一理あると思います。それでも私が参加した理由は、2週間自分が知らない世界に没頭して、自分の新たな可能性に気付きたかったからです。結論として、私にとって徳之島で過ごした時間はお金では買えないかけがえのない思い出となっています。そのためもし今、島キャンへの参加を迷っている方がいましたら、是非参加してみることをおすすめします!
私が今回お世話になったのは徳之島のサンセットリゾートです。与名間ビーチの真横にあるホテルで、名前の通り毎日綺麗な海と夕日を見ることができます。
就業時間は朝8~14時と夜18~20時の8時間で、業務内容はホールでのバイキングの準備・片付け、清掃、昼の準備、厨房での皿洗いや夜の仕込み、完成した料理の運搬等を行います。サンセットリゾートは企業や学生の団体のお客様が多いため、その方々の食事が終わると怒涛の皿洗いが始まります。最初は、残飯やソース類で淀んだ水の洗い場に手を突っ込んで皿洗いをすることに抵抗がありましたが、人間の適応能力は凄いもので数時間も経てば全く抵抗感が無くなり、むしろ皿洗いを効率よく進めることにやりがいを感じ始めました。
次に、厨房では夜の小鉢や味噌汁・ご飯の仕込みや、オーダーの入った注文の準備を行います。最初のうちは、お皿も食材もどこに何があるかわかりませんでしたが、時間が経つにつれて誰かに聞かなくても自主的に動けるようになっていくことに成長を感じました。シェフの方が出来立てを味見させてくれたり、昼食リクエストをさせてくれたりと本当に自由でアットホームな環境で働かせて頂けたと感じています。出来立てのサーターアンダギーを食べた時の美味しさは忘れられません!
最後に、ホールではお客様の案内・オーダー取り・ドリンク作成等を行います。普段カフェでアルバイトをしている私ですが、東京とは違い、島では4名以上の団体で来るお客様が多く、また、手書きで注文をとるため最初は間違えないかばかりに捉われていました。しかし、時間が経つにつれて一番大切なことはサンセットに来てくださったお客様の時間が充実するように努めることだと感じるようになりました。そのため、自分自身の緊張の有無にかかわらず笑顔を絶やさずに心の余裕をもつことを意識して取り組みました。すると自然にお客様と関わることにも楽しさを感じ始め、お客様の笑顔や、「美味しい」や「ありがとう」などの言葉が自分のやりがいになっていきました。
そして、一番印象的だったのはサンセットの方々がフレンドリーにお客様と話している姿です。就業中、社長が出演しているYouTubeを拝見した際に、社長が社長になる前に「絶対にこのホテルに必要な存在になるぞという決意の下、お客様や周りと積極的にコミュニケーションをとることを意識していた。」というお話をされていました。その言葉の通り、社長は社長になった今でもお客様と他愛もない会話を日常的にされていたり、家族やホテルスタッフに加えて、島キャンで訪れた私達にまでもとてもフランクに接してくださりました。そのような社長を筆頭にサンセットリゾート全体でお客様とのコミュニケーションを大事にしているからこそ、サンセットリゾートはこんなにもあたたかくて賑やかで明るい雰囲気なのだと確信しました。サンセットの方々に囲まれて働いた2週間は、私にとって生涯忘れられない素敵な時間となりました。
失礼なタイトルだったかもしれません。しかし、「徳之島」と聞いて何が思い浮かぶでしょうか。
私は初見でその名前を聞いたとき、漠然としたイメージで綺麗な海と自然しか思い浮かびませんでした。そしていざ徳之島に到着すると、想像はしていたものの都会との違いに驚きました。
車移動が基本(1番近いスーパーでも車で10分)・コンビニはファミマしかない・飲食店はほぼ夜7時頃に閉まる・物流は船にかかっている・洋服等はネットショッピング・遊び場は海か山...等の実態を見聞きし、普段東京で過ごし、徒歩や電車で移動できる範囲に多くのお店や遊び場がある私にとっては島の人は普段何をして過ごし、どこで遊んでいるのだろうと疑問を持ちました。そして、その疑問を社長の息子に尋ねた際の「島は海や自然が好きじゃないと少し退屈。でもそれが好きな人にとっては楽園。」という言葉がとても印象に残っています。その言葉に最初はあまり共感できなかった私ですが、気付いたら徳之島の虜になっていました。以下が実際に私が2週間の間に見たり、体験したものです。
クロウサギ探しナイトドライブ・満点の星空・道路を歩く牛・初めての釣り・釣ってきた魚を捌く・ダイビング・島バナナ・青いグラデーションの透き通る海・白い砂浜・波の浸食が作り出したムシロ瀬やメガネ岩・妊婦の形をした山・300年の樹ガジュマル・映えは無いけどコスパと味は抜群な喫茶店・夜、波音を聴きながら砂浜で寝た経験・日々表情を変える夕日...まだまだ書ききれないですが、自然が整備されすぎていない徳之島だからこそ、自然と対峙した遊びや自然の魅力に気付けることを知りました。東京よりも遊び場は少ないはずなのに、暇や寂しさを感じることもスマホを触る時間も少なく、むしろ東京にいる時よりも充実感を感じていました。何より徳之島の方々が日々自然に畏敬の念を感じながら、自然と共に生きてそれを楽しんでいる態度に感銘を受け、自然には無限の楽しみ方があると気付けたことがとても大きな発見でした。つまり、何もないからこそ徳之島の自然の魅力がより一層際立つと言えるのではないでしょうか!
何もない!それが最高の徳之島!
島の方はあたたかいというイメージがありましたが、想像以上のあたたかさでした。誰に対しても分け隔てなく接し、島外から来た見ず知らずの人間までも包み込むあたたかさがあるのが島の方々の特徴と言えると思います。
サンセットリゾートは家族経営で、社長には9人のお子さんがいます。また、厨房では社長のお兄さん達(双子)も活躍していたり、フロントでは社長のお母さんが明るくお客様を出迎えていたりと本当にあたたかで賑やかなホテルでした。また、島外からきた他人の私達のこともあたたかく迎え入れてくださっただけではなく、釣りやクロウサギツアー、ダイビングなど島ならではの貴重な体験に沢山連れて行ってくださいました。さらに、サンセットで働くスタッフの方々も気さくであたたかい方ばかりでした。そんな方々に囲まれて過ごしていたおかげで、人見知りな私でさえも毎日笑いが絶えない日々になっていました。また、就活や都会の忙しなさに日々追われる私にとっては、徳之島で過ごす時間は良い意味で自分のペースで流れていき、とても居心地が良かったです。もともと人と関わることが好きだった私ですが、徳之島でよりその素晴らしさに気付けました。写真を見返さないと夢だったのではないか…と思ってしまうほど、私の人生にとってかけがえのない経験になりました。2週間は思っていたよりずっとあっという間に過ぎてしまいましたが、沢山の経験をさせて頂いたこの日々に感謝でいっぱいです。この素敵な経験を自分のこれからの糧にして、また徳之島を訪れたいと思います。