島キャン実施レポート

自分の行動力に万歳!!

2022年夏 奄美大島
非営利活動法人TAMASU
8/16~8/29
日本大学/経済学部  稲葉朱里
前を向かせてくれた2週間
自分が楽しくなきゃお客さんだって楽しくない!
フミヤさんと考えて作ったメッセージ付きピザ!ピザの部分も撮ればよかったな、、。生地から手作りでおいしいんです!

今まで私はブライダル、アパレル、居酒屋と色んなアルバイトを経験してきました。このどれもに共通するのが接客です。将来はどんな仕事に就きたいのか。正直、明確なものは今もありません。しかし、人と接すること、それを経てお客様に喜んで貰えること、このようなぼんやりとしたものはあります。これらの考えから私は上記の職を選んできました。少し自分の話をさせて下さい。私はブライダルとアパレルを既に辞めています。理由として、二つの職をやっていく内に「お客様に迷惑をかけないこと」これが働く上で私が無意識のうちに一番大事にしてしまっていたからです。仕事でのミスを重ねていく内に自信がなくなり、喜んで貰うことなど二の次になっていったのです。(ブライダルとアパレルの仕事が悪いという訳では決してありません。)

そんな中、見つけたのが“島キャン”でした。私は、離島が好きでも自然が好きという訳でもありません。言ってしまえば、虫や昆虫は大の苦手です。そんな私がなぜ島キャンに応募したのかというと「島の人の温かさを感じたい」という理由でした。過去の島キャン生のレポートを拝見して『第二の故郷』というワードに惹かれたのを覚えています。故郷といえる程の島の人ってどんな感じなんだろう。この地に行けば、働く上での楽しさを知るきっかけになるのではないかと思いました。その『第二の故郷』と称されていたのが“国直”です。そこにあるTAMASUで私はインターンをすることに決めました。

就業日初日、TAMASUの代表であるオサムさんが「仕事を仕事として捉えなくていいから。島の良さを感じながら楽しんで。」このようなことを言ってくれました。その言葉の通り、仕事というよりお手伝いの方が近かったかもしれません。いい意味で仕事とプライベートの境界がなく、波が割れている日には「仕事終わったら、サーフィンしにいこうか!」、天気がいい日には「夜星見に行く?」とお誘い頂いたこともありました。こんなにもオンオフが無い職場があるんだと私の常識は覆されました。

とある日、ピザを楽しみに誕生日を祝おうと訪れてくれたお客さんがいました。しかし、その日はピザをやっていませんでした。わざわざ遠い山奥まで誕生日を祝おうと来て頂いたお客さんを帰すのは心苦しかったので何かできることはないかとスタッフのフミヤさんと一緒に考えました。その結果、メッセージ付きのピザを特別につくることになりました。お客さんはとても喜んでくれて、その時にしたフミヤさんとのグータッチは今思えば小っ恥ずかしけれど、とても印象的で嬉しいものでした。このように自分が考えたことを直ぐに実行に移せたのは温かい環境のおかげなんだと思います。この時でも、以前のような「迷惑をかけない」という考えではこの行動はとれなかったでしょう。お客様に喜んで貰うためには、まず働く環境を自分が楽しめる場所にし、その楽しさをお客様に分ける。これが私が考える理想です。しかし、環境は自分ひとりでは変えられません。でも自分の考えは変えることができます。ピザのサービスのような成功体験を何度も積み重ねていき、自信に繋げることです。そのために、自分が考え出した意見は積極的に発信していき、挑戦する機会を作っていきます!

私ってここの住民だっけ??
ワンちゃんまでも、お腹を出してくれるほど優しいんです。この子はズーって言います!

私が就業させて頂いたTAMASUがあるのは、人口が約120名から成る国直集落です。奄美で有名なアマミノクロウサギの生息数より国直の人数が少ないので、国直の人はアマミノクロウサギより珍しいんだよ。なんて言われたりもしました(笑)奄美で最も栄えている名瀬市までは車で30分、一番近いコンビニも名瀬にあるため、車移動が当たり前です。日用品を買いに行くために車を出して貰うと、時折反対車線の車に手を挙げます。道を譲ってもらった?ライトが点いているのを教えてくれたのかな?不思議に思い質問してみると、「知り合いだから、挨拶しただけだよ。」とても驚きでした。車でなくてもすれ違う人、かなりの頻度で知り合いに会うのです。120人といっても全員が知り合いな訳ないと思っていたので、国直集落の横の繋がりは凄いものなんだなと感じました。他にも横の繋がりを感じられたことがあります。それは、聞く人聞く人みんな下の名前を呼び捨てで呼び合っていることです。これは年齢関係なくです。「○○姉~」「○○兄~」というのはあるものの、小学生が大人に対して呼び捨てで読んでいたのを聞いたときは、この子やんちゃなんだな、なんて思っちゃいました(汗) また、私も同じように国直の人たちは下の名前を使って接してくれました。おかげですぐに打ち解けることができました。今思うと、○○さんと呼んでいるのは私だけで、さん付けやめて欲しいと言ってくれる人もいました(笑)私は中学、高校、大学と部活動に所属しているので苗字呼び、さん付けが当たり前でした。それもあって、少し戸惑いもありましたが国直の人の優しさのおかげでとても過ごしやすい2週間でした。ときには、「ご飯食べおいでね」とか「困ったことあったら何でもいってね」など、たくさんの温かい言葉を貰いました。私ここの住民なのかなと勘違いしてしまう程、みなさんが優しかったです。

この2週間を振り返ってみて、、
唯一のひとの写真!わとわさんとっても美味しかったです。すっぴん上等!ここでは笑顔が化粧でした(笑)

離島の地域活性化に貢献する新しいインターンシップと謳っている島キャンに私は向いていないんじゃないかと思っていました。ガクチカになりそう、楽しそう、都会では味わえない温かさを感じたい、この三点だけで私は島キャンに参加しました。地域活性化ができたのかと聞かれたら、できていないというのが正直なところです。しかし、想像以上に島の魅力には魅了されたので、帰って来るや否や友達に奄美大島凄い良いところだった!と自慢してしまいました(笑)

夕方になると国直海岸に来るおじさんが言っていました。「いい景色はいつかは飽きるけど、人がいいと飽きることはない」と。本当にその通りだなと思います。2週間という短い期間だったので、私は景色に飽きることはなかったけれど、国直の人にもう一度会いに行きたいと心から思えています。

また、一つだけ後悔していることがあります。島の人と写真をもっと撮ればよかったと。今度奄美大島を訪れた際には、ひとの写真でいっぱいにしようと思います!

私は今まで一人で何かを成し遂げる経験を臆病になってしまいやってきませんでした。しかし、心からいい経験ができたと今は思えています。島キャンをやった夏とやらなかった夏では今後の人生を大きく左右する出来事なのではないかというぐらいに。なので、この島キャンに応募した過去の自分を褒め称えようと思います!「よくやったー-!!」

初日の歓迎バーベキュー!初日からこんなに良くしてもらえて感動でした。
奄美大島第二ターム集結!ここでの出会いにも感謝。
勤務最終日ご馳走を振舞ってくれました!ひでぽん美味しかったです!