出会いと別れと 「与論島」
与論島大金久海岸、ここが自分の毎日の職場だ。今回就業させていただいたTANDY MARINEは、百合が浜ツアーやウミガメと泳ぐツアー、海の家など、マリンアクティビティやビーチサービスを提供する事業所である。インターン生は二人で、自分たちの主な仕事は海の家での飲食物の提供、ビーチのセッティング、マリングッツの貸し出し、浜辺でのお客様のご案内、船での船長のお手伝い、観光案内、ほか清掃や準備など様々だった。
仕事の中で苦労したことはお客様へのマリンアクティビティに関する声掛けだ。ビーチに訪れた人に「百合が浜行きませんか?」と声をかける。最初はどうすればいいのか全くわからず、隣の同業者のお店のおじちゃんがどんどん声をかけていくのを見ていることしかできなかった。しかし社長の鬼塚さんとお話をする中で、お客様一人が来ていただけるかいただけないかが生活に直結することがわかった。お客様が一組でも来ていただければ1万円前後の売り上げになる。このお金が日々の生活費となるので、一人でも多くのお客様に来ていただくことが重要なのである。自分たちは声をかけるにも島や海の知識では島の人に劣ってしまうため、海の家に来ていただきやすくするためにわかりやすい案内の看板を作成した。作成が就業期間の終わり近くになってしまった後悔はあるが、看板を作ってからは来ていただくお客様が増えたため、作ってよかったと感じた。
また仕事をする中で鬼塚さんがおっしゃっていて心に残った言葉がある。それは「気遣い」だ。どうすればお客様に楽しんでいただけるか、どうすればここでの経験をいい思い出にしていただけるか、どうすれば笑顔で帰っていただけるか、これらを考える上で重要なことは細かな「気遣い」であるとおっしゃっていた。笑顔で接するのはもちろん、お客様を日陰にご案内したり、船に乗る一瞬荷物を持ってあげたり、ビーチの椅子の砂を払っておいたりなど、些細な「気遣い」の積み重ねがお客様のいい思い出に繋がると感じた。また「気遣い」は営業のためだけじゃないともおっしゃっていた。では何だろうと聞いていると「気遣い」ができる男はモテるとおしゃった。鬼塚さんからのまさかの言葉だったが、確かに納得した。細かな「気遣い」が相手を笑顔にする、恋愛に限らず生きていく上で重要なことだと自分は感じ、今でも忘れずにいる。
海がやばい!!!!!
与論島は奄美群島のうちの一つ、鹿児島県最南端の島である。周囲は約23kmで距離的には沖縄の方が近く、島から沖縄本島を見ることができる。ヨロンの魅力は何といっても海である。海が何とも言い表せない色をしている。青いと言ってしまえばそうなのだが、場所によって青が違うのだ。いわゆる青から、非常に濃い青、水色に近い青や、エメラルドグリーンのような青、透明な青など、見る場所、高さ、天気によって海が色を変えるのである。そしてヨロンで一番有名な観光地である百合が浜も非常に魅力的だった。自分たちの仕事場でもあった百合が浜は特定の日にちや時間にのみ沖合に現れる幻の浜で、浜を見ていると星の砂と呼ばれる砂を見つけることができる。360°ヨロンブルーと呼ばれる青い海に囲まれた浜に降りたときは、仕事をほっぽりだしたいような気持ちになった。また海の家で仲良くなったお兄さんと、海中宮殿と呼ばれるダイビングスポットに仕事終わりに向かった。海中宮殿は流れが早い海域にあり、探すのに苦労したが、海の中に宮殿を見つけたときはとても嬉しかった。また自分は浜への帰り道をよく覚えている。仕事終わりだったので、夕日が海の中に差し込み、サンゴがオレンジ色に照らされている光景はとても幻想的だった。
ヨロンの魅力二つ目は食である。ヨロンの特産物は海鮮から畜産、農作物まで様々あるが、その中でも最も印象に残ったものは夜光貝だ。つぶ貝やとサザエの間のような貝で、刺身やバター炒めにするととてもおいしい。休みの日に船長に沖まで連れていっていただき、自分たちで採って食べた。お店で食べると一皿で3000円以上する高級貝だが、それを2人でまるまる3,4個いただけたのはとても幸せだった。夜光貝以外にも、もずくそばやヨロン牛、マンゴー、パッションフルーツ、グアバ、黒糖、サーターアンダギー、ゴーヤチャンプル、伊勢えび、トビウオなどたくさんのものをいただいたが、どれも味は格別だった。ヨロンで海に注目されがちだが、これらを食べるためだけにヨロンに行ってもいいのではないかと思った。
また自分たちは最終日にレンタカーで島全体をまわったが、ヨロンには星空やサンゴ祭り、鍾乳洞、民俗村、サザンクロスセンターなど魅力的なものがたくさんある。まだ発見しきれていない魅力があると思うのでまた必ず行きたいと感じている。
与論島に行って最も感じたこと、それは「人との出会いの大切さ」である。
ヨロンにいた2週間、本当に様々の方と出会い、とてもお世話になった。仕事について教えてくれた社長の鬼塚さんはもちろん、夜光貝を一緒に採りに行ってくれた船長の片岡さん、僕たちを気にかけながら一緒に仕事をしたりささん・ゆいさん、毎日声をかけてくれたくるまどうの方々、毎日仕事終わりに黒糖やお菓子をくれた浜辺のおばあちゃんたちには、ヨロンについて教えていただき、本当にお世話になった。また見ず知らずの僕たちにマンゴーをくれたマンゴー農園の方や、ヨロンの歴史について細かく教えてくれた民俗村の方々、与論献奉を教えてくれた島のお兄さん方など、島の方には感謝という言葉だけでは足りないほどよくしていただいた。都会にいるときにはあまり感じられない「人」の温かさをヨロンに行って感じ、自分もこんな人でありたいと改めて思った。
また出会いは島の人との出会いだけではない。お客さんとの出会いもかけがえのないものとなった。毎日差し入れを持って来てくれたおじちゃん、お祭りに連れて行ってくれたお兄さん、海中宮殿に一緒に行ってくれたお兄さん、砂浜で一緒に遊んだ女の子とお母さん、おしゃべりなバス運転手のおじちゃん、サマーキャンプの子供たち、僕たちを応援してくれたカップルやご家族の方々など思い出したらキリがないほど出会いがあった。お客さんにも本当に親切にしていただいたし、仕事終わりに遊びに行ったり、連絡先をいただいたり、どの方とも出会えてよかったと思っている。毎日の仕事も、仕事に行っているのかお客さんとおしゃべりに行っているのかわからなくなるほど日々の出会いにわくわくしていた。
ヨロンにいた2週間、毎日が非日常で、毎日が目まぐるしく過ぎ、毎日ヨロンに感動し、毎日が学びであった。しかしヨロンに行って改めて考えさせられたことは「出会い」だった。ヨロンでお世話のなった人達に出会えて本当に良かったと思っている。ヨロンに行ってよかった、また必ずみなさんとどこかで会いたい。最後に皆さんに心の底から皆さんに伝えたい。
とーとぅがなし!!!(ありがとう)