島キャン実施レポート

人生を見つめ直す島生活

2022年夏 奄美大島
ゲストハウス アマテラス
8/2~8/15
関西大学 商学部  北角 毬乃
人との関わりを通して新たな経験や価値観を得た2週間
人との関わりを通して「はたらく」を考える
炎天下の中、台風で飛ばされた敷地内の葉っぱ駆除を行いました。

 私が就業していたゲストハウスでは普段の通常業務として敷地内の清掃とベッドメイキング、他にも外壁塗装や新しく始めるサウナの準備など様々な業務を行いました。ゲストハウスは一般的な宿泊施設とは違い、人とのつながりを求めて来られるお客様が多く、食事や調理などを行うことができる共同スペースがありました。

 私が島キャンで取り組む目標の一つとして「様々な人と積極的に関わる」ということを掲げていました。そこで、お客様とすれ違った時の挨拶を基本とし、フリースペースでお客様と一緒に食事をするなど会話する機会を大切にしました。1ヶ月程出張で宿泊されていたお客様とは一緒にご飯を食べてお話しする機会が多く、星空を見に行こうと声を掛けていただくなどのご厚意が嬉しかったです。また、自分が実際に行って良かった観光スポットをお客様におすすめしたところ、後日私が紹介した観光スポットに行ってみたよと声をかけていただいたときは嬉しかったです。そのお客様は周りから勧められたことは取り入れるようにしているとおっしゃっており、他の方にもおすすめされていたシュノーケリングも体験されたそうで、そういった周りの意見を積極的に取り込んでいこうとする姿勢がいいなと思いました。自分だけであれば経験しなかったであろうことも周りの人の勧めから経験してみることで自分でも知らなかった自分を知ることや価値観を広げることができるため、改めて人とのつながりを大切にすることは人生において重要なことだと感じました。

 宿泊されていたお客様の中にはサーフィンが趣味の教師の方もおり、仕事の大変なことを聞いてみると「生徒に教えること以外にも入学者集めの営業を他の学校に行うことが大変だけど生徒に授業をするには必要なことだから頑張れる」と言われていました。やはりどんな仕事でも大変なことはあるけど最終的に仕事を通して自分が社会に貢献したいことにつながっているという思いが大切だと感じました。また、来年から社会人のペアの島キャン生も「自分のしたい仕事だから頑張っていけると思う」と自信を持っている様子を見てすごいなと思いました。今までは漠然と生活するために働かなくてはいけないと思っていましたが、仕事に誇りや自信を持っている方々の話を通して、働くことは生きるための手段だけではなく人生を豊かにするものでもあると感じました。

心休まる奄美の自然
底が透き通るほど透明感の高い海、ハートロック!

 奄美大島に初めて到着した時の第一印象は「とにかく海がきれい」でした。休みの日には自転車で片道7キロ以上離れた観光名所まで行きましたが、道中の景色の美しさを感じながらなんとか辿り着くことができました。そんな奄美の美しい海を守るため、何度か海辺のゴミ拾いを行いました。ゴミの中には中国語のラベルのペットボトルもあり、国を超えた海洋ゴミの問題を強く感じました。中でもペットボトルのゴミが多く、日常生活において防ぐことのできるポイ捨ての多さを実感しました。奄美では定期的に地域の方々でクリーンアップ活動を行なっているそうです。

 また、一緒に就業していたペアの島キャン生と通常業務以外に私たちにできることは何かを考え、島生活を終えてからも形として何かを残したいという思いから、ゲストハウスに宿泊されるお客様の交流も作れるように奄美大島の魅力を伝える奄美かるたを作りました。中でもゲストハウスに宿泊された方向けに行きやすい観光地や文化、実際に私たちが見聞きしたことを紹介するようにしました。最終日には事業者の方や宿泊されていたお客様と一緒に作成した奄美かるたを通して交流しました。

様々なことに挑戦することで得られること
笠利崎灯台からの景色が絶景だったのでゲストハウスに宿泊されていたお客様にもおすすめした絶景ポイントです!

 2週間の島生活を送るにあたって大切にしていたことは「とにかく挑戦してみる」ということです。そもそも島キャンに参加すること自体が私にとって大きな挑戦であり、大きな一歩でした。大学入学時からコロナ禍の影響で思うように動けず、たくさんの人と関わって大学生にしかできない経験をしたいという思いから参加する決断をしました。私は普段から一人旅をするタイプではなく地元を離れて2週間も生活をしたことがなかったため、見知らぬ土地で知り合いのいない環境からスタートする島キャンに参加することに不安も感じていました。しかし、事業所の方やペアの島キャン生、宿泊されていたお客様など島生活での新たな出会いや奄美大島の第1タームの島キャン生と休日にサップやバーベキューなど充実した思い出も作ることができました。島生活を終えた後では島キャンに参加する決意表明を出したあの頃の自分を褒めてあげたいくらいに参加してよかったと感じています。

 就業していた期間中には奄美大島のあまみエフエムというラジオに出演するという貴重な体験をすることができました。事業所の方からあまみエフエムから出演依頼が来ていると聞いたときは正直緊張しそう不安でしたが、とにかく挑戦してみるという考えから前向きに捉えるようにしました。初めてのことを経験する際に伴う緊張や不安と共にワクワクする気持ちもあり、ラジオ出演という滅多にない経験ができてよかったです。

 参加前はここまで充実した島生活を送ることができるとは思っていませんでしたし、実際に体験してみないと分からないということを実感しました。まずは挑戦する第一歩を踏み出すことの重要さを改めて感じたことと共に、様々な人との関わりを大切にして取り組んだ島キャンでの経験が自分の自信になり、今後の長い人生を見つめ直す良い経験ができたと感じています。

加計呂麻でシュノーケリングをした時に初めて見た青いサンゴ
奄美大島第1タームの島キャン生と奄美の自然を満喫しました!
ペアの島キャン生と協力して作った奄美かるた