新しい景色がいつもの景色
「はまぐりデッキ」
ここは綺麗な海が目の前に広がるカフェです。
私はここに就業していました。ここでの仕事は、主にカフェ業務です。注文を受け、飲み物や食べ物を提供しました。そして、ここで私が大事な仕事の一つであるなと感じたことが、お客さんとの会話です。8月の繁忙期を終え、カフェは比較的ゆっくりしていたので、一人一人のお客さんと話す時間がたくさんありました。お客さんはいろいろな場所から来ていたので、その人の出身地の話で会話が弾むなど、自分自身が今までたくさんの旅をしていてよかったと感じました。
また、はまぐりデッキではメニューを新しくしているところでした。いつも出てきたものがそれだと思って食べていたので、メニューを考えることがこんなに大変だとは思いませんでした。例えば、パフェ一つを考えるにしても、クリームとフレークどちらを先にいれるとお客さんが食べやすいかなど、些細なことが一番大事なのだと思いました。
ここでは、新しいことに挑戦し続ける姿を見ました。冬にもお客さんに来てもらうために新しい小屋を建てたり、解説付きの星空鑑賞会を企画していたりと、たくさんのことをしています。何事もやってみないとわからない。うまくいくかはわからなくてもやってみる。このように働くことができたら働くということも楽しいのだろうなと思いました。
「島は不便で、島の人はよそ者には少し冷たいだろう。」これは私が実際に行く前の島のイメージでした。しかし、いざ行くとまったく違うことがわかりました。
新上五島町、特に私が行っていた有川地区は不便なことはありませんでした。自転車に乗って10分程漕げば品揃えがすごいドラックストアにもスーパーにも行けます。しかし、車は必要だと思いました。信号も少ないし、迷うような車線もないので走りやすいです。外灯が少ないので暗くなるのは早いし、真っ暗になる道もあります。しかし、このおかげもあって綺麗な星空を見ることができるので良いところでもあると思いました。
この島は、どこに行ってもきれいな海と教会がありました。そして、この島の人、この島に来る人、みんな優しくてあたたかい人ばかりでした。ごはんを食べに行くと、おじいさんが話してくれたり、教会を見に行くとその教会のことを教えてくれたり、たまたま出会ったタクシーの運転手さんは、おすすめの絶景の場所などを教えてくれました。また、工事でこの島に来ていた人たちが釣りに連れて行ってくれたりと、本当にたくさんの優しさをいただきました。
そこで暮らしている人たちがあたたかいから、島全体があたたかいのだろうなと思いました。
綺麗な海や星空、たくさんの歴史ある教会、うどんや魚などの美味しい食べ物、この島にはたくさんの魅力があります。しかし、私が思うこの島最大の魅力は「人」だと思います。2週間お世話になったはまぐりデッキのみなさん、五島バックパッカーズぽれのみなさん、役場のみなさん、教会やごはん屋さん、いろいろなところで出会ったみなさん。また会いたいと思う人がたくさんいるということがこの島、新上五島町の一番の魅力だと思いました。
最後に、同じ2週間でも島で過ごす2週間は違いました。時間の流れは同じはずなのにとてもゆっくりに感じました。せかせかしている人たちとすれ違うこともないし、何よりも時計を見ることが少なかったように感じます。毎日が新しい。そして時間に縛られない。
出会ったみなさんに感謝したいです。また行きます。