“繋”
「また来ます!!」
という言葉が私にとってどれだけ嬉しい言葉だったのか、奄美大島に来たばっかりの自分では想像ができません。
タイトルにもあるように、今回のインターンシップでの私のテーマは”繋がり”でした。できるだけ多くの島の人たちと仲良くなって横のつながりを広げたい、という思いから、ゲストハウスでの就業を決めました。
ゲストハウスで働く1日はすごく長いです。というのも悪い意味ではなく、とってもいい意味で。6:30頃に起床し、まずは私とオーナーのけんおじの二人分の朝食を作ります。ここでの食事は各自、自分たちで準備をする、というスタイルなので、毎朝二人分の朝食を準備していました。そのあとは、お風呂・トイレ・客室等の掃除をして、洗濯をして干して、ベッドメイクをして。毎日汗だくになりながらも楽しんで業務をこなしていました。
汗だくになりながら業務をしていることは都会だったら「汚い」と思う人もいるかもしれません。しかし、島だからこそ、というよりもロングビーチだからこそ、汗だくになることすらも楽しめていたのかもしれません。汗だくになることが嫌だったら、汚いと少しでも思ったら、きっとこの2週間は残念に終わっていました。けれど、業務を楽しんでやるからこそ、どんなに大変なことも乗り越えられるということをこのゲストハウスで学びました。
冒頭でも書いたように、私は当初、島の人との繋がりを持ちたいと考えていました。それに加えて、ゲストハウスに宿泊されるお客様とも繋がりを持ちたいと考え「チェキ」を贈ることにしました。些細なことかもしれないし、その人にとってはゴミになるかもしれない。だけど、思い出としてチェキを贈り、一人でも多くのお客様がこのチェキをみて、“奄美大島”という場所、そして“ゲストハウス奄美ロングビーチ”を思い出してくれたら、嬉しいなと思っています。これが私ができる「島とお客様を、そして、けんおじと私とお客様を“繋げる”」ことでした。
毎日違うお客様がいらっしゃる、ということは毎日が違う日々。だからこそ、濃い繋がりを持ちたい、と考えた私は、できるだけたくさんお客様とお話をしたり、ご飯を食べたり、仕事が終わったら遊びに行ったりしていました。「奄美にきて一番最初に出会ったのがけんおじと陽香ちゃんでよかった」そのような言葉をもらった時は、本当にうれしかったし、私がやったことすべてにちゃんと意味があったのだなと思いました。
就業期間中、たまたま「八月踊り」と時期がかぶっていたので、お誘いいただきました。「八月踊り」というのは、江戸時代から続く伝統行事だそうで、旧暦8月に踊られる踊りのことです。最初に参加した時、奄美大島にきてから初めてこんなにたくさんの島の人たちにお会いし、嬉しい感情が芽生えたのを鮮明に覚えています。八月踊り初日、私は涙が出そうになりました。というのも、島の人たちが本当に幸せそうに、楽しそうに踊りに参加していたからです。そんな時にふと頭をよぎったのは、「一体いつまでこの踊りは続けることができるのか」ということです。私が生活していた用集落を見る限りでは、ご年配の方が多い集落です。(もしかしたらもっと子どもがいたのかもしれませんが。)ここの集落の人たちにとってこの踊りは一つの大きなイベントだし、この踊りのために毎週練習していることも教えていただきました。また、私のような若者が来ることが本当に活力になるし、嬉しいという言葉もかけてもらえました。しかし、ご年配の方が多いと、この先なくなってしまうのではないかという不安が芽生えました。たった2週間だったけど、こんなに大事にされてきている踊りをなくしたくない、どうにかしたい、という感情が生まれました。
八月踊りに参加していた人たちは、全員が笑顔で本当に楽しそうでした。私もつられて笑顔になったし、おかげで集落の方々といっぱいお話もできました。もし、私がぶっきらぼうで楽しくなさそうに踊りに参加していたら、島の人からも声をかけてもらうこともなかったし、こんなにお話する機会もなかったと思います。けんおじにも「けんおじ今日はいけないから、行くのやめとく?」と言われたこともあったけど、私は集落の人に会いに行っていたような感じだったので「行かない」という選択肢は私の中にはありませんでした(笑)
2週間、島の人たちとたくさんの関わりを持ったからこそ、この集落を大事にしたい、という感情が生まれ、「ただ楽しい、島ライフ最高!」ということだけでなく、たった2週間ながらに、深く島を知ることができました。(まだまだ知らないこともたくさんありますが)
奄美大島はとにかく人が優しく、自然が豊かで私にとっては天国のような場所です。それに気づけたのは、私自身が自分で動いたからであり、何も動かなければ何も始まらないと奄美大島で実感しました。自分の置かれた環境で何を感じ、どう動くのか。それ次第でこの2週間という期間は充実したものになるのか、とても充実したものになるのか、はたまた何も感じないまま終わるのか、矢印の幅や向きは大きく変わってくると思います。
奄美大島での就業を通してたくさんの人と出会い、お話をして、遊んで、笑って、泣いて。ゲストハウスでの出会いもゲストハウス以外での出会いも、ゲストハウスから見える海も、出かけた場所も、島のなにもかもが最高でした。
奄美大島を選択したときから私の奄美生活は始まっていて、島での出来事はすべて私にとって意味のあるものであり、ちゃんと繋がっていたんだと帰ってきてからしみじみと感じています。
「いつでも帰ってきていいよ」「早く帰ってきてね」という言葉をかけられると今すぐにでも帰りたくなる。そんな場所に2週間も滞在できた私は、世界で一番幸せ者!!!
出会った人、自然、奄美大島でのすべての出来事に感謝して。ありがっさまりょうた!!!!