島で暮らす
実は、島で一番難しかったのが働くということ。
というのも、私のお世話になった事業所には1日の就業時間にやることというものが決まっていない。アルバイトのように、シフト時間で決められた業務をこなすのではなかった。
日々、異なる人々で溢れる環境。専門的な知識を持ったスタッフの方々。私は、ダイビングの知識が全く無かったためお手伝い出来ることが本当に少なかった。そのため、島に馴染むことがとても必要だと思った。島は私に何を求めているのか、もし、自分が島の人だったらどう動くのか、というものを考えた。本当に自分がこの島に住んでいたら、どう動くのかを実際に考えた。決められたことをやるのではなく、自分から動く。そのように努めたが、達成できたかはよく分からない、、。
私の島キャン参加への目的が、島での暮らしを体験して島を感じることであった。これに関しては、多いに達成できたと思う。
最初は、島に馴染めるか不安であった。しかし、私が思っていたよりも遥かに島の人々は温かく、可愛がってくださった。
就業先のお父さんは、私をご近所へ挨拶回りに連れて行ってくださり、私はたくさんの人と関わりを持つことができた。お隣のおじいちゃんは、私を軽トラに乗せて、畑へ連れて行ってくださった。その他には、お家へ招待くださるご夫婦がいたり。本当に温かかった。
島の人々が温かかったお陰で、私は島の良いところをたくさん知ることができたし、島の暮らしも感じることができた。島の人の話を聞いていて思ったのが、皆さん五島を愛しているということだった。「五島はよかよ。」たくさんの人からその言葉を聞いた。都会からすると、"不便"である島にはそれを上回る魅力がある。島の人は、それを分かっている。とても素敵なことだなと思った。
就業先がダイビングセンターということもあり、五島に来ている島キャン生と一緒に体験ダイビングをさせてもらった。ずっと、就業先でダイビングをする人々を見ていたので、「私も潜ってみたいなあ」と思っていた。そのため、すごく楽しみだった。
説明を聞き、海の中へ入る。水の中で酸素があることに感動した。ダイビングに夢中になっている人の話をたくさん聞いていたので、海の中はどれほど綺麗なのかとワクワクしていた。海に入る。耳抜きをしながら深く深く潜っていく。耳抜きをするのにとても集中していたら、思っていたよりも深いところへ潜っていた。すごく綺麗だった。耳は、地上の音が聞こえず「ザー」という水中にいる音だけが響く。地上から遠く離れた幻想の世界にいるみたいだった。海の生物とたくさん出会った。その中でも嬉しかったのが、タツノオトシゴとウミウシ3種類を見れたこと。話を聞いていて、ずっと見てみたいと思っていた生き物だった。念願叶ってとても嬉しかった。ウミウシは1種類見られたらそれで良かったのだが、潜った時に3種類も見ることができてより嬉しくなった。あと、思っていたよりも小さすぎてびっくりした。可愛かった。また潜りたいと強く思う経験をさせてもらった。