わたしの 奄美奮闘記!!



「掃除は絶対に手を抜かないこと」「自分で考えること」。これは、就業初日にアマテラスの管理人ななさんと交わした2つの約束です。
「自分にできることを見つけ、貢献できることを考える」ということは、島キャンに参加するにあたり、私自身が目標に掲げていたものの1つでもありました。
毎日の主な仕事は朝食の準備から始まり、午前中に水回りの掃除とルームメイキング、午後にチェックインのお客様の対応、夜の戸締りをして終わります。
就業が始まって間もない頃は"手を抜かず、かつ時間をかけすぎずに"仕事をこなすことが難しく、午前中に終わらせなければならない仕事の量に途方にくれる毎日。迷惑をかけてばかりの自分の不甲斐なさに落ち込むことも多かったように思います。
掃除1つを取っても、実際に自分が取り組んでいく中で感じることが本当にたくさんありました。
綺麗な空間を綺麗に保ち続けることの大変さ…。汚いところを綺麗にすることはできても、綺麗なところを綺麗に保つことは本当に大変なのです。アマテラスがこんなにも快適なのは、汚れていないからと言って手を抜かず、「訪れる人に気持ちよく過ごしてもらいたい」という想いを込めて毎日欠かさず綺麗にし続けている、その努力があるからこそなのだとわかりました。「宿の評価は挨拶と水回り!!」というななさんの言葉とともに、決して手を抜かない仕事に対する姿勢がしっかりと私の心に刻まれています。
また2週間の就業を経て特に強く感じたのは、生活の一部に仕事がある、というはたらき方の難しさでした。普段のアルバイトや都心の企業は大抵の場合、仕事の時間と休憩の時間がはっきりと区別されています。一方島では、仕事が生活の一部となっている人が多いのだそうです。就業先に住み込みで生活と仕事をしていたこともあり、不慣れな私はONとOFFの切り替えがうまくできず、常に気が張った状態が続いてしまいました。自分自身でうまく折り合いをつけ、仕事も自分の時間も大切にしていかなければならないのだと感じ、その違いと適応する難しさを痛感しました。
しかしながら、お客様と旅の思い出を共有する幸せな時間であったり、そこで新たな繋がりができたり…そういったこの仕事の喜びや、"お客様同士が顔を合わせ、繋がりが広がるような空間を作るにはどうしたらいいのか"、"アマテラスがもっと魅力的なゲストハウスになるためには何が必要なのか"とお客様の立場になって考えることの楽しさもしっかりと噛み締めることができました。
ゲストハウスの運営は、私がやりたいこと、将来の選択肢として考えていた仕事の1つです。今回島キャンを通して実際にこの仕事に就業させていただき、自分の進路を考える上で非常に貴重な経験を得ることができました。ななさんと事務局の皆様に心より感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

2週間の就業期間の中で、集落の方々の集まりや行事にもたくさん参加しました。
早朝の草むしり作業、ナンコ(相手の持っている棒の数を当てるゲーム)の練習会、バーベキュー、奄美まつり…
「集落」という言葉すら馴染みのなかった私にとって、人がこうして同じ場所に集まり、まるでひとつの家族のように親しく言葉や笑顔を交わすその空間は本当に心を打たれるものでした。
ここでは、人と人とが出会ってから繋がり結びつくまでに長い時間は必要ない。顔を合わせる、言葉を交わす、一緒に地域のための活動をする。そうして作られた強い繋がりが人々の助け合いを生み、支え合うことで島での生活が成り立っているのだと感じました。
一方でそこには、人の繋がりの強さゆえに抱える問題もあるのだそうです。
島への移住者の中には、"定年退職後の余生を島でのんびりと過ごしたいから…"と考える人も増えてきました。しかし島では60代と言えばまだ若手。島の方々は、集落の活動に積極的に参加してもらおうと呼びかけるものの、放っておいてくれと突き返され、結局移住者が集落の中で孤立していってしまう…。実際にそんな問題が起こった事例も少なくないようです。
近年、観光地化が進んでいる奄美大島。そこで生まれ育った者として、島の魅力が発信されることへの喜びもありながら、そこには複雑な思いがあるのだと話してくださいました。
「やっぱり島がいい。」
島で出会った多くの方々が口々におっしゃっていたこの言葉。自分の故郷であるこの島への愛が伝わってくる、とても印象的な言葉でした。繋がりを大切にする人は、人に愛される。一生懸命な人は、人に助けられる。そんな大切なことを教えていただいたのだと感じています。

自分でやると決めたからには弱音は吐かない!と心に決めていた私ですが…正直なところを打ち明けると、1週間が経った頃には「帰りたい」という気持ちとの闘いでした。
これではいけない、と落ち込んだ日々…。しかし、奄美の方々が内地に出てあらためて故郷であるこの島を大切に思うのと同じように、私が育ってきた、たくさんの大切な人が待っている故郷に帰りたいと思うことは、ある意味ではとても幸せなことなのかもしれません。島での生活やこの島を大切に思う方々との出会いを通して見えてきた、意外な発見でした。
そして2週間の就業期間を終えて東京に帰る頃には、私の心境もまた大きく変わっていました。
今になって気付く、やり残したことの数々。もっと自分にできることがあったはずなのに、という後悔。そして何より、ここで出会った大切な方々との別れの寂しさ…。
帰りたいと思っていたことが嘘のように、「もっともっとここにいたい!」「せめてあと1週間、時間が欲しい!」と心から願うほどでした。
それは、この短い時間の中でも本当に沢山の方と出会い、そこに大切な繋がりを作ることができたからに違いないと私は感じています。
「また来るときは必ず連絡してね!」そう声をかけてくださった兄姉たち。帰り際、お土産に焼酎をくれた近所のスエオさん。「来年は一緒にナンコの大会に出るか!」と笑うななさん…
ここ奄美大島にも、まさに私の"帰る場所"を作ってくださった皆様。本当に感謝しきれません。帰りの飛行機、窓から美しい島を眺めながら、涙がポロリ。ここでできた繋がりを、これからも大切にしていこうと強く思いました。
また必ず、帰ってきます!!


