島キャン実施レポート

国直集落まるごと体験交流

2017年夏 奄美大島
NPO法人 TAMASU
2017年9月13日~9月26日
東洋大学 国際地域学部 国際観光学科  塚本 彩夏
異世界に来たように感じた2週間
かつての国直を取り戻すということ

2週間の滞在中にNPO法人TAMASUの代表である、中村修さんとお話させていただく中で、一番印象的だったことは、観光と環境についてのお話でした。国直集落の魅力を壊すことなく、また、変えることなく、観光客に「ありのままの国直」を体験してもらうということです。それは、集落の生活に触れる交流であったり、都会では経験することの出来ない漁など、観光客向けに新しいものを始めるのではなく、島の人にとっては、当たり前のことを体験プログラムをたくさん実施しています。
 かつての国直の活気を取り戻す、と熱くお話してくれた、修さんは若者と共に、サンゴ礁の再生や、トビウオ漁の復活などの活動も行っていて、地域全体が盛り上がって、観光客を増やすことで、国直を活性化させているように感じました。
 環境と観光のバランスについて悩んでいた自分の考えが一転するような刺激的な2週間でした。

集落全体での観光客受け入れ

就業が始まる以前、「奄美大島 国直集落 人口約120人」と聞いて、東京で私はどんな場所であるのか想像ができませんでした。そしていざ到着してみて1番驚いたことは、国直の人は車のキーを抜かないこと。また、家の鍵を抜かないこと。集落全体が家族のように、非常に近い距離で接している、そんな集落でした。東京生まれ、東京育ちの私にとってそのことは本当に衝撃的でした。
 国直では、何か行事がある際に、集落の中心にある国直公民館に集まったり、毎日夕日の時間になるとだんだんと皆がビールを片手に浜辺に出てきて、1日の出来事を振り返ります。国直の方々は、観光客であっても、そうでなくても国直を訪れた人全員を温かく受け入れてくれ、私が初めて参加した時には、どの人が島の人なのかわからないほど、全員が溶け込んでいるように感じました。また、1部の人だけでなく、修さんを筆頭に、集落全体で観光客を受け入れている印象が非常にありました。
 私は、「観光客が増えることは、地域にとって本当に良いことなのだろうか」ということをテーマに、色々な場所を訪れていますが、こんなにも外部の人がその地域に溶け込めるような場所は初めてでした。国直にリピーターが多い理由は、1度訪れてみて、国直の人の温かさを感じれば帰りたくなるからだということを体感しました。

勝手に!行動するということ

勢いに乗っている国直集落をさらに良くするために、共に2週間過ごした美里さんと集落を散策しながら、アイデアを出しあった結果、国直の観光スポット「フクギ並木」の入り口に看板を立てることになりました。国直を代表する「フクギ並木」の入り口が分かりにくかったために、(看板を作りたいです!と修さんに提言をし、了承を得たうえで)勝手に看板を立てる計画を立て、勝手に木材を買い、2人で慣れないのこぎりで板を切り、貝殻を広い、ペンキで塗装し、毎晩夜な夜な看板を作りました。
 修さんには、勝手に国直のために作ってる!と笑われましたが、お披露目の際には、島の人を集めていただき、皆さんが喜んでいるのを見て、本当に嬉しかったです。
 新しいことをやることは、とても勇気が必要になりますが、それが成功した時には、大きな喜びになるということを感じました。また、勝手に!だけど、積極的にがむしゃらに頑張ることは、人に良い影響を与えるかもしれない。ありがとう。と修さんに言って頂けたことが嬉しくて、今でもはっきり覚えています。