島キャン実施レポート

徳之島で思ったこと

2018年夏 徳之島
ましゅ屋
8/15~8/28
京都女子大学/家政学部  まり
非日常は立ち止まる時間をくれた
仕事に対する姿勢と働く場所について
ましゅ屋

はたらくについて思ったことは2つあります。1つ目は、仕事に対する姿勢です。私は2週間、徳之島のましゅ屋さんでお世話になりました。「ましゅ」とは「塩」という意味です。ましゅ屋という名前の通り、塩を作ることが仕事でした。塩作りは簡単に言うと、海水を釜で炊きながらゴミをとり、ザルに塩をあげて、にがりを落とすというものでした。ましゅ屋さんのご主人である隆太郎さんが「塩作りは小学3年生でもできる。」と言われていた通り、作業自体は比較的シンプルなものでした。しかし、薪として使う廃材を運ぶ、廃材に刺さっている釘を抜く、海水を運ぶなど、運動不足の私にとっては少し骨の折れる仕事でした。仕事の要領を掴み始めたある日「塩のゴミが多い。何か良い方法はないか。」と聞かれました。やまとんちゅう(本土の人)として、島に新しい風を吹き込むことを期待されていたのでしょう。その時、いかに自分が受動的に仕事をしていたのか、ハッと気づかされました。自分から動いても動かなくても、時間は過ぎていきます。ただ、大して役に立たない大学生である私を温かく迎え入れてくれた島の方々に対して、何かしらの形で貢献しようと思いました。2つ目は働く場所です。島の生活は都会の生活に比べ自然の影響を受けやすいため、いくつか仕事を掛け持ちしている方が多いです。私が住まわせていただいたお宅は、料理店、喫茶店、商店、リラクゼーション、民宿を兼ねていました。その影響で、仕事と生活が空間的にも時間的にも曖昧になっていました。例えば、私が昼食をとっている部屋をお客様が横切る、昼休憩に接客をするといったところです。仕事と生活の曖昧さは仕事への切り替えが難しい一方で、時間の融通が利きやすいという良さもあります。良いか悪いかという話ではなく、自分に合う働き方を考える上で大切になってくると思いました。

特有の文化について
ムスコ

徳之島には、特有の文化が色濃く残っていました。

食生活について。私が身を寄せていたお宅は、郷土料理を提供する料理店が入っていたこともあり、毎日何かしらの郷土料理を食べていました。鳥汁、卵おにぎり、ジマム豆腐、舟やき、ゴーヤの炒め物、長命草の天ぷら、アオサの天ぷら、アオサの炒め物、地魚の天ぷら、鶏飯、油そうめん、豚足、うとしいり、ムスコ、黒糖ピーナッツ、黒糖ドーナツ…数えるときりがありません。骨付き肉や黒糖が使用されていたり、バナナの葉をお皿代わりに利用したりと、普段とは異なる食生活が新鮮でした。徳之島は長寿で有名ですが、それはお肉を沢山食べることに起因するのではないかと思いました。

お盆について。第2ターム(8/15~8/28)に参加し、徳之島のお盆を体験することができたのは、とても幸運なことでした。親戚や近所の方々が集まり、宴会がおこなわれます。神様にお供えする料理には、お箸を2本ではなく3本使います。そのお箸を溜めておき、送り盆の際に、団子やお酒と一緒に捧げ物にするのです。最後は団子を食べ、お酒を回し飲み、お墓までご先祖様をお連れします。今でもこのような文化が残っていることは素晴らしいと思いました。

島時間について
せんにん牧場

徳之島には「島時間」と呼ばれる島特有の時間が流れています。少し立ち止まって考え事をするのには、絶好の場所だと思います。

徳之島に行くときには是非「島じかん」いう喫茶店に立ち寄ってみてください。郁代さんというパワフルな方からエネルギーのお裾分けをいただけると思いますよ。

ハイビスカス
テイキンザクラ
ランタナ