人を想う島、与論島
将来の進路の選択肢の一つとして公務員を考えているので、行政に関わるところに就業したいと思っていて、また、観光にも興味があったので与論町商工観光課を選びました。
自分が主に行ったことは、KKB鹿児島放送が主催する「ふるさとCM大賞」に応募する与論町のCM制作です。30秒間で与論町の魅力を最大限表現するのは、難しかったです。それでも、自分が与論島に抱いた第一印象の「海外みたいな島」ということをコンセプトに何とか作り上げました。制作期間が長くなってしまったことが反省です。
商工観光課に就業してみて、観光の方に目が行きがちでしたが、業務に同行させてもらうにつれて役場が町民の生活と繋がっているのだと感じるようになりました。こども園、小学校にあるガジュマルの木や、フェンスにかかる草木の台風対策を先生や専門の方と話したり、地域行事の企画・実行をしたりするなど町民との関わりが多いと分かりました。私は町役場といえども町民との距離はあるのだと思っていましたが、2週間の中でそのように感じることはなく、むしろ役場の方も同じ町民としての目線で仕事されているように思いました。
2週間島の方とお話をする中で、人の温かさを一番強く感じました。民宿のおばちゃんは、観光客の方にその日の予定を聞き、その日に合うプランを提示したり、グラスボート組合の方に電話で船の手配をしたりするなど、とても気にかけていました。また、与論島出身でアーティストとして東京で活動した後、再び与論島に帰ってきた方は、島の歴史や魅力、自身の経歴など熱く語ってくれました。お土産店のおばちゃんは、インターンシップで島に来ていることを伝えると、「また帰っておいで」と温かく迎えてくれました。多くの方と話しましたが、全員に共通して言えることは、島の方はみな与論島が好きであるということです。自分が生まれ育った島が好きだからみんなにこうやって温かくできる、また、島について語ることができるのではないか、と感じました。「この島が好きだ」そう思う人が多い島、それが与論島なのだと思います。
私は、京都府北部の漁村で生まれ育ち、小学生から地域学習を重ねるうちに生まれ育った町が好きになりました。そして、故郷に帰るときにしか「帰る」という言葉を使いたくないという思いがありました。しかし、今回2週間、与論島で多くの人と接するうちに心の底から与論島を好きになっている自分に気づきました。そして、故郷以外で初めて「帰る」と使いたいと思う土地に変わりました。それほどこの島の方たちの温かさと優しさを感じたのと同時に、これからもこの島のために何かしたいという思いが芽生えました。また何度でも与論島に「帰り」たいと思います。ありがとうございました。