島キャン実施レポート

奄美大島生活を体験して

2018年夏 奄美大島
奄美大島ホテルリゾート コーラルパームス
8/15~8/28
東洋大学/生命科学部  S
見たこと、聞いたこと、話したこと
当たり前の仕事
コーラル亭に向かう途中に見えた日の出

コーラルパームスの朝は、早かった。7時からお客様がコーラル亭に、朝食を召し上がるためにやってくるので、6時から仕事が始まった。

朝食はバイキング形式なので、出来上がった料理、飲み物が入っているボトルを7時までに運んだ。7時からお越しになるお客様に元気よく挨拶をしつつ、料理がどのくらいあるか、あとどのくらいのお客様が来るはずだから、何々の補充をお願いしますとキッチンスタッフの中村さんに伝えなければならないと、考えながら行動した。お皿の片づけをし、テーブルを拭いた。ホール担当として、全て当たり前な仕事をさせて頂いた。しかし、村山さんはこのような仕事以外にお客様とのコミュニケーションを積極的にとっていた。「このあとどうするんですか?」「土盛海岸は歩いて行けるので、おすすめですよ~」といった感じで話しかけていた。話し方も固くなく、フレンドリーに話しかけているので、お客様も嬉しそうに相槌を打っていた。

このような雰囲気のホテルはなかなかないと思う。都会ではそんなことを聞いてくる人なんて出会ったことがないし、聞いてきたら少し不信感を抱いてしまうと思う。お客様に対しての村山さんの話し方は、フランクでありながらも丁寧なので、お客様も会話を楽しんでいる気がした。

私は、「はたらく」について、決められた業務をこなすことにしか目線がいっていなかった。それももちろん大切な仕事であるが、村山さんのはたらく姿を見て、お客様との一対一のコミュニケーションも当たり前の仕事という目線を得ることができた。

奄美の人
まっすぐな道路

ある夕暮れ時に、コーラルパームスの日高さん地元のスーパーマーケットA-COOPに連れて行ってもらった。

日高さんはA-COOPでたくさんの方と話していて、全員知り合い!?と疑ってしまった。それくらい、他人との距離が近い。「毎回、知り合いに会うんよー」と言っていた。

道中、奄美のことをたくさん話してくださった。バイト代が時給740円ということに驚いた。真っ暗のクネクネした道路をすいすい走るのも凄い。そして、家の鍵は閉めない人もいるらしい。みんなを知っているからこその安心があるからだと思う。


ちょうど休みの日に、水鉄砲バトルというイベントがあったので、他の島キャン生とともに参加した。そもそも都会では、おこなう場所がなかったり、娯楽がたくさんありすぎて、水鉄砲をやろうという発想が湧かないと思うので、自然豊かな大きな広場で、全力で水鉄砲ができてとても楽しかった。

手でつくる、書く
道中にあった手作り農道標識

学んだことはたくさんあるが一点あげるとすると、「手作りの良さ」である。写真にも示すように、これは手作りの農道標識だ。これ以外にも奄美野鳥の会からのお願いや、もう一つ農道標識を見つけた。初めて見たときは驚き、温かい気持ちになった。明らかに人が書いたであろう文字と顔のイラスト、ハートや星でデコレーションしていることに人情を感じ、制作した「人」がわかるような気がしたからだ。人が見えると親しみが持ちやすくこの農道を大切にしていると感じ、この土地になじみのない私でさえ、大切にしようと思った。

 

就業させて頂いたコーラルパームスでも、「手書き」が多く見られた。宿泊するお客様の個人情報を手書きで記入し、ファイルでまとめる仕事もさせて頂いた。また、昼のホールでは注文を取って、会計伝票に書き込んだ。だから、何回も正確かどうか人の目で確認しなければならない。都会ではどちらも電子機器を用いて、早く正確に処理する。そのようのことが身についてしまっているので、最初は驚いた。お客様の個人情報を書き込む際、「手書きで申し訳ないんだけど」とフロント担当の小玉さんに言われた。確かに手書きは、パソコンで打ち込むより時間がかかってしまうが、一人一人のお客様にちゃんと向き合う時間がここで生まれているのだなと思った。

奄美野鳥の会からのお願い
手書きの伝票
奄美大島の虹