美しくあたたかい与論島
私はヨロン島観光協会で働く中で、どの仕事にも共通することだと思うが改めて日々の積み重ねであると痛感した。
毎朝観光協会の方々は皆さん床を掃いて、パンフレットを整えてそして船の運行状況や天気を確かめて仕事を始める。資料請求のメール対応、アンケート配布...身近なことの積み重ねを日々行っていくのだ。その工程があった上で観光客増加のための広報的な活動を行なっていく。
身近なことをしっかりこなすことが働く中で第1にやるべき、そして大切にすべきことなのだと改めて感じた。
また、担当の方は島を案内してくださる中で「今の波がよかったから写真に残そう!」といってそのために車を止めたり、一つの海岸で観光客によって求めるものは違うから家族向け、女子向けなどとイメージを変えて写真を撮ってみたり...島のどの場所に行ってもアンケートを配りに行く時でも、島の魅力的な場所をどう伝えるか、島の魅力的な場所がどこかにないか、といったことが頭の片隅にあった。
与論島でずっと生活し詳しいのにも関わらず、島に対して常に貪欲な姿勢でいることが私はとても衝撃だった。このような姿勢の積み重ねにより与論島の良さをより伝えられるようになるのだと感じた。
与論島の方は本当にあたたかい。
島で一度軽く話すだけで、次会った時にはもう昔から知っている近所の人みたいな距離感になる。
そして与論島の方は名字ではなくみなさん下の名前で呼び合っていた。会って数日の人に名前で呼ばれることがあまりなかったので最初は慣れなかったが、名前で呼ばれることにより心の距離がとても近い気がした。
この距離感の近さは飲みの場で特に強く発揮される。
与論島には与論献奉というものがある。自己紹介などのその時伝えたいことを述べた後に杯に注がれた島有泉という島で作られた黒糖焼酎を飲み干すのだ。 この与論献奉によってコミュニケーションが生まれ、島内の人と島外の人が一瞬で繋がることができるのだ。
与論島の人のどんな人に対しても与論島の人と変わらず近い距離で接するあたたかさこそが、写真などでは伝えられない与論島のいちばん魅力であると感じる。
与論島といえば海を思い浮かべる方が多いだろう。実際海はとても美しい。しかし、わたしは与論島での生活が美しいと感じた。
与論島で過ごす2週間、私は毎朝日光を浴びて起きて出会った人々と挨拶を交わし合い、夕方になったら海岸で夕日を眺めて1日を終えるといった生活を送っていた。当たり前の日常だが全てが魅力的に感じられた。
都内で生きていると時間や人混みに追われて日々疲れて終わってしまう。しかし、与論島にいると何も追われず、開放的に生きられた気がする。
"島時間"という言葉をよく聞くが、与論島には島時間では言い表せない"与論時間"があるのではないかと思ってしまう。
自然、人、文化全てがあたたかい与論島。
また訪れたいと強く思います。