島おこしの現場に飛び込んで感じたこと
今回私が参加した明日の加計呂麻島プロジェクトでは、どこか特定の場所で就業体験をしたというよりは、区長さんなどが、私たちに様々な作業、活動をさせてくださいました。インターンとは少し異なる活動でした。実際にした作業は、区長さんが行っていた廃材の処理のお手伝いや、集落の台風対策作業、台風後の清掃作業、台風後の学校の清掃、畜産業の体験、漁の体験などです。これらの活動を通して感じたのは、いかなる作業においても自分で仕事を見つける必要性を痛感しました。ただ、待っていても仕事は来ません。はじめから、これをやってと指示される場面ばかりでないので、自分で何ができるか尋ねる、指示されたことが終わったら次にできることを探す、など周りを見て自分から動いていかなければならないんだとわかりました。これは、働く場面でも当たり前に求められることだと思います。
今回の明日の加計呂麻島プロジェクトに参加したことで、加計呂麻島について観光に来ただけでは知ることのできなかったことを学べたと同時に、地域おこしの難しさを実感しました。明日の加計呂麻島プロジェクトは、区長や加計呂麻島在住者を中心として進められている島おこしプロジェクトです。しかし、この島おこしプロジェクトの、島内での認知度はまだまだ低いと感じました。明日の加計呂麻島プロジェクトの名前は聞いたことがあっても内容までは詳しく知らない人も多かったです。また、島おこしを進めるにあたって、若者がいないことに起因する人手不足は大きな問題であると感じました。例えば、荒廃農地を再開拓して農業を始めようという計画があっても、肝心の農業をやる人がなかなか集まらない、観光業に力を入れたくても、そのための宿泊施設や食事処などの施設を運営する人が足りない、などです。さらに、島おこしに対する熱意の差も少なからず感じました。これは、島内だけに限らず、何か新しいことを始める時には必ず起きうることなのかもしれませんが、「加計呂麻島が好き」という気持ちはあっても、島おこしの事業には消極的だったり、役所のやり方が悪い、という不満を感じているだけだったりする人もいるという印象でした。
加計呂麻島と今まで私が生活してきた環境とは様々な違いを感じました。一番に感じたことは、住民同士のつながりが強い。集落内ではみんながみんな知り合いで、車をみれば誰の車かがすぐにわかり、みたことがない人がいると「観光客かな」となるそうです。区長さんが「今夜島キャン生の歓迎会をやるよ」と集落の方々に伝えて回ったら、当日にもかかわらず20名ほどが公民館に集まってくださいました。あとは、これはあくまで私の印象ではありますが、「職業」に執着している人が少ない、と思いました。「島に仕事はそんなにないよ、でもお金がなくてものんびり生活していければいいんだよ。」そうお話されていた方がいましたが、大学で勉強しながら、「将来の職業」について悩み続けている私にとっては衝撃でした。自分の価値観が劇的に変わったわけではなく(小さな変化はありますが)、島キャン生の多くが言うように、一概に島の生活の方がよい!または、都会の暮らしの方がよい!といえるわけではありませんが、島の方に限らず、自分とは違う価値観を持った方々の話を伺い、いろんな世界を知ることができました。