島キャン実施レポート

人生は自由で可能性にあふれている

2022年夏 奄美大島
奄美ロングビーチⅡ
8/29~9/12
新潟大学/農学部  石丸明里
生き方、働き方の多様性を知った2週間
仕事と暮らし
オーナーの健おじとひろえさん、島キャン生の二人で朝食をとっている様子です。ひろえさん手作りのパンとグアバジュースは絶品。

 私は奄美ロングビーチⅡというゲストハウスで2週間のインターンをさせていただきました。この宿は以前は笠利町にありましたが2022年の春に現在の場所に移転してオープンしたばかりでした。普段はオーナーの健おじと奥さんのひろえさん、ヘルパーの方で基本的な業務を行っているそうで、今回私たち島キャン生はヘルパーさんの代わりとしてお仕事をさせていただきました。具体的な仕事は、お部屋の掃除、洗濯、ベッドメイキング、チェックインされたゲストさんの案内などです。一通りやり方などを教えてもらった後は自分たちだけで作業していたので、与えられた仕事以外にもできることはないか考えながら生活するようにしました。時間に余裕があるときには普段やらない細かい部分の掃除など行いました。自由に時間を使えるからこそ、自分で考えて「仕事を創る」ことの大切さを実感しました。それと同時にしっかりと休むことも大切だと感じました。特にゲストハウスでは仕事と生活が一体となっていおり、ゲストさんとのお喋りが盛り上がり夜遅くなってしまうなんてこともしばしば。。継続のためには区切りをつけて休んだり、自分の考えたことを整理した利する時間も大事。これらの気づきは今後社会人として働くときにも生かしていきたいです。

 そしてゲストさんとの交流も大切なお仕事の一つです。ゲストハウスに来る方たちは人との出会いを求めている方もいらっしゃり、旅の目的や滞在中の過ごし方を伺うと皆さんそれぞれの楽しみ方や面白いお話を聞かせてくれます。偶然が重なり出会った人たちとの交流が楽しめるのはゲストハウスの醍醐味だと思います。毎日いろいろな人とお話する中で、新たに知ることや発見が尽きなかったです。集まる人と雰囲気が毎日ころころと変化するリビングは本当に面白くて、この場所での生活は私にとって良い刺激になりました。

自然の魅力と脅威に圧倒された2週間
ゲストさんとマングローブカヌーに行った際の写真。カヌーは初めてでしたが楽しめました。

 奄美を訪れるのは今回の島キャンが初めてでしたが、東日本で生まれ育った私にとって島での暮らしは驚きの連続でした。気候や植生はもちろん、文化や食など初めて見聞きすることが多く、毎日がワクワクでいっぱいでした。特に奄美大島の自然には圧倒されました。まさに「手付かずの自然」という言葉がふさわしく、島の多くは森林におおわれていて希少な野生動物たちが生息しています。仕事がはやく終わった日には、ゲストさんやオーナーにマングローブカヌーやシュノーケリングなど様々な場所に連れて行ってもらったため島での遊びも満喫することができました。雄大な自然を残しつつ人間が上手く共生している奄美大島で、改めて自然の力強さを感じました。インターン期間中には魅力と同時に自然が持つ脅威も実感できました。期間中には台風による悪天候で貨物船が止まったり、自由に外出できなかったりと生活への影響もありました。ですが台風の影響をあまり経験したことがなかった私にとっては貴重な経験になりましたし、島の人に台風中に楽しく過ごす方法も教えてもらいました。(海に行けない日はみんなで近所のバッティングセンターに行きました。途中で大雨が降りだし球が見えなくなる場面もありましたが・・・)この雄大な自然のなかでの生活が、島の人たちのおおらかで寛大な性格にも繋がっているのではないでしょうか。

生き方の多様性
偶然にも同じタイミングで島キャンOBのみなさんがロングビーチに訪れていました!

 私はこの2週間の間にたくさんの生き方と出会い、自分が想像していたよりも多様性に富んでいることを知りました。ゲストハウスには本当に様々な人がいらっしゃいます。家族や友人、恋人同士で来る人、一人で来る人、島で仲間と合流する人。目的も様々で、観光や泳ぎに来る人、写真を撮りに来る人、親戚に会いに来た人。何もしないことを目的にしている方もいました。年齢や出身地などアイデンティティが全く異なる人たちが偶然の重なりで出会い、コミュニケーションが自然と生まれる、そんな不思議な場所です。ここで出会ったゲストさんは面白い方が多く、みなさんそれぞれに唯一無二の素敵な暮らし方、生き方をされていました。ずっと旅をし続けている人、大人になってから学校に行き新たな学びを続けている方、リモートで働きながら島で生活している方、子供が大きくなったからと一人で旅行に来た人。これまで働くことや大人になることになんとなくネガティブな印象を抱いてしまっていた私は「生き方ってこんなに自由でいいのか!」「大人になってからも人生って可能性でいっぱいなんだ!」と目からうろこでした。そして何より、オーナーの健おじは自分のやりたいことを追求して実現している方だと思います。宿泊業とは関係のない仕事をしていましたが、退職後ゲストハウスをはじめ、その5年後には現在のロングビーチを新築したそうです。毎日のように訪れる新たなゲストさんとの出会いを心から楽しみ別れを惜しむ健おじを見て、また一つ、新たな生き方を知りました。毎晩、「今日も幸せだったなあ」と言いながら黒糖焼酎を飲む健おじの姿がロングビーチの最大の魅力です!この2週間の間に出会い、関わっていただいた皆さんには本当に感謝しています。

島に到着した日に歓迎の鶏飯パーティーをしていただきました。鶏がらスープがほんとうにおいしい!あと、翌日の鶏飯ラーメンも最高です。
2週間毎日練習していたウクレレ!最終日にはコンサートも開催し、温かい拍手をいただきました。
最終日に玄関先で撮った写真。健おじが別れがつらいと言っていて私たちも寂しくなってしまいましたが、また必ず遊びに来たいと思います。