与論で過ごした２週間

私はヨロン島観光協会で2週間お世話になりました。

就業先として選んだ一番の理由は、就職活動をするにあたって観光という分野に興味があり、観光地での仕事はどのようなものなのか、実際に確かめてみたかったためです。

また、個人的な理由ですが、ヨロン島観光協会は観光案内所としての運営があるため、観光地である与論島を短期間でも深く知ることができるのではないか、そして、与論を観光するのに有益な情報がたくさん聞けるのではないか？という下心も持ちつつ、就業先として希望しました。

観光協会に就業して、私は様々な業務に関わることができました。ここでは主に行った２つの業務について書いていこうと思います。

まず1つ目は、観光協会からの情報発信です。観光協会が管理・運営している「ヨロン島観光ガイド」のHP記事の作成、Instagramの更新作業をさせていただきました。特にInstagramの投稿に関しては、島の美しい景色を多くの人に届けたいと考えかなり強いこだわりを持って臨みました。ですが、どこへ行ってもキレイな海や景色が撮れるので、写真の撮影と選定には意外と苦労しました。（他の島キャン生にも協力してもらいました。）

2つ目は「サザンクロスセンター」のリニューアルのお手伝いです。サザンクロスセンターは、島の文化や生活の史料などが展示されている観光施設で、観光協会の方で管理しているそうです。リニューアルに関して行った業務の内容は、ポスターや写真の張り替え、展示する用の星空の動画制作です。また、その隣の「ゆんぬ体験館」という体験型施設で、夏休みで島外からきた子ども達のサンゴ風鈴づくりを手伝ったりと、観光施設の運営業務についても体験することができました。

観光協会で働いていて一番感じたことは、人との関わりが多いことです。先に挙げた、体験施設に手伝いに行ったり、パンフレットを置いてもらうために島の宿泊施設をめぐったりと、多岐にわたる業務から、旅行で島外からきた方はもちろん、島の方々とも関わる機会が多かったです。

そして、そのつながりがあるからこそ、素敵な観光を楽しむことができるのだろうと思いました。

島キャン生として体験できるのは就業先のお仕事だけではなく、２週間滞在することで、その土地の生活も身を以て知ることができます。そのため、数日の旅行では味わいきれないものが沢山ありました。その一つが島の雰囲気です。

私のいた与論島は、島の方々がとても優しく、美しい風景に囲まれて、島の生活がとにかく穏やかな雰囲気でした。これは行ってみないと感じ取れないと思います。

また、与論にいると、さまざまな場所で方言を耳にします。例えば「とーとぅがなし」という与論の方言は「ありがとう」を意味する言葉ですが、お店で買い物をしたり、ご飯を食べて会計した後、必ずといっていいほどお店の方が言ってくれます。私は毎日のように聞いていたので、二週間の滞在を終えて与論島を出た後、沖縄のお店に行って店員さんに「ありがとうございました」と言われ、とてつもない違和感を覚えました。それくらい与論の生活には方言があふれています。

そのほかにも、コンビニはチェーン店がなく、マソーというコンビニしかなかったり、そのマソーには地元のコンビニだからかお刺身が置いてあったり、夜になるとヤモリの鳴く声が聞こえてきたり･･･。普段の生活にはない色々な発見がありました。

与論島にいる間、私はなるべくお店でご飯を食べるようにしていました。

与論では「与論献奉」という、スピーチをしてお酒を回し飲みしていくおもてなしの文化があります。そういったお酒の文化もあるためか、居酒屋が多く、ご飯が美味しいお店が沢山ありました。（ちなみに、飲み放題のあるお店は見ませんでした。観光協会の方曰く、島の人はみんな飲めるので、飲み放題なんてやったらきっと経営が持たないだろうとのことでした。正直、本当にそうだと思いました笑）

そして、居酒屋で島の方とお話しすることができるのも一つの魅力だと思います。私は「やぐら」という居酒屋にいったときに、島の方と相席する機会がありました。

その方から、島の生活についてや台風のこと、そして与論の観光についてもお話を伺いました。与論の観光が最も栄えた時期の様子やその後についてなど、明るい話ばかりではなかったですが、島人だからこそ語れるお話を聞きました。

また、お店にいた方が三線で歌と演奏を聴かせてくださったり、それに合わせてその場にいるお客さん達が合わせて踊ったりと、ご飯を食べること以外にも、とても楽しい時間を過ごすことができました。

ヨロンでの生活は自分の今までの生活とは全く異なっていましたが、その土地を離れて恋しいと思うほど、魅力にあふれていました。かけがえのない貴重な体験をありがとうございました。

とーとぅがなし、ヨロン！