人とサンゴとウミガメと。
第4タームの喜界島サンゴ礁科学研究所(サンゴ研)では、他のタームと比べると穏やかなタームでした。サンゴ研で一番はじめに学んだことは、サンゴを中心とする島の生き物や地形についてでした。
主な業務として、サンゴ研の展示室にいらっしゃるかたへ展示物の説明をしました。土、日、月曜日はサンゴ研に併設されているサンゴCAFEの運営をしました。人生初めての飲食業務を経験してとても新鮮でした。ここのメニューのオムカレーは驚くくらい絶品です。
2週間の就業体験の中で一番印象に残っていて、さらに今の私に影響を与えたことがあります。それは、イベントのポスターづくりとカフェのメニューブックづくりです。
今までゼロからデザインして何かをつくるということをしたことがありませんでした。色も使う写真も自由。必要事項を教えていただき、それ以外は全て自分で、または同期間に就業体験していた島キャン生と一緒につくりました。
レイアウトや色のちがいで全く違う作品になる。それがとても楽しく難しく私の挑戦心をくすぐりました。関東に戻り振り返ったとき、この難しく達成感のある仕事が一番に思い出され、今までは興味のなかったデザインする仕事がこんなに楽しかったなんて、という気付きと、学びたいと思う好奇心でいっぱいになりました。これは島だからという経験ではないかもしれません。ですが、私にとってはこれからの人生を変える就業体験でした。
"喜界島はサンゴ礁の島"
喜界島へ初めて行ったこの夏。知人が数人住んでいた島、サンゴ礁でできている島。それが行く前の喜界島に関するイメージでした。
ついてからすぐに喜界島についてを説明いただきました。サンゴ礁が隆起してできている島、地球の中では新米の島であり、それは珍しいものである、と。
島の子どもたちは学習の一環として島の成り立ちや生き物についてサンゴ研で学んでいました。自分の育っている地域について学べる環境は、とても素敵だと思いながら見学していました。
島内を観光したとき、島のみかんや胡麻やそら豆などの特産品について教えてくださる方がいました。それは熱く。
島の外から島に移住してきた方ともたくさんお話をする機会がありました。
この3つの機会を経て、島民の価値観と移住者の価値観または外部からの価値観は異なるのか、と感じました。もちろん、島の中と外とでは価値観が違うということはよくある話だと私は思います。
島キャンに参加するまでは、島民の価値観に合わせて生活するのが正解だと思っていました。
しかし今回の生活を経て思ったことは
「みんな違って、みんな良い」ということでした。
違う価値観があるからこそ生まれる良いものがあることを、この喜界島での2週間で知ることができました。
私は、離島での生活や居心地の良さが好きで、これまでいくつかの離島を巡ってきました。
昨年は伊豆大島でゲストハウスを手伝っていました。期間は島キャンと同じ2週間。
今まで何も考えず巡ってきた離島ですが、昨年、離島に移住をしたいと考え始め、離島に行くときに、島の雰囲気やコミュニティに着目して生活を送るようになりました。
当たり前だと思われるかもしれませんが、喜界島と伊豆大島は人口は近いですが、体感する雰囲気やコミュニティは違いました。
個人的な感想は、積極的でもなく、排他的でもない島というものでした。
今までは、個人の性格や相性によって、新しい人が島のコミュニティに入るのを歓迎するのか歓迎しないのかを決めているのでは、と思っていました。
しかし今回、ひとつの可能性として、島民と外から来た人の割合が関係してくるのではないかと感じました。
島キャンは就業体験がメインだったため、島民の方々とお話する機会は少なかったし、私はコミュニティの研究方法をまだ知らないけれど、次の島に行くとき、今回感じた視点でもって観察して、もっと自分のテーマを深めていきたいと思いました。