島キャン実施レポート

行ってみなきゃ伝わらない!!

2019年夏 喜界島
ダイビングショップ BEGLAD
9/12~9/25
東京農業大学/国際食料情報学部  riho
海も空も食べ物も人も、すべてが素晴らしい島でした
多彩な経験
設置したお店の看板

 今回就業体験をさせていただいたのは、喜界島のダイビングショップBEGLADさんです。わたしはダイビング未経験で、海の世界への期待に胸を弾ませていました。ダイビングは気圧の変化が生じるので耳抜きをこまめにすることが必要不可欠ですが、残念ながら体質的に耳抜きができず、潜ることができませんでした。とても楽しみにしていた海の世界でしたが耳鼻科に行ってからリベンジすることにしました。ピーク期が過ぎ去っていたこともあり、就業期間中にお客様は中学校の先生とサンゴ研究所に就業していた島キャン生2名のみでした。当日は花良治ビーチに潜りに行き、安全安心のためにオーナーの清水さんが二人にハンドシグナル等の丁寧な説明をおこなうなか、もう一人の島キャン生と一緒にタンクとBCDとレギュレーターを取り付け、持っていくフィンやマスクなどの準備をしました。

 わたしはダイビングができない代わりにお店の看板作りを任されました。幅が2mほどある使わなくなった大きな看板を頂き、一面を塗り直す作業から始まりました。無事に完成し、最終日にお店の駐車場に取り付けた際には大きな達成感を得ることができました。多くの人の目に留まってお客さんが増えたらいいなと思います。

 また、9/21に世界中で一斉におこなわれるビーチクリーンアップ活動にも参加しました。潮の流れによって海外から流れ着いた漂着ゴミが、坂嶺という地区の海岸に集まっていました。朝8時から台風のなか、3歳から83歳まで約15人で清掃をおこない、綺麗にすることができました。漂着ゴミは、浮きや中国語や韓国語のラベルが付いた瓶、缶やペットボトルなどが多くを占めており、今回初めてこのような現状を知り、漂着ゴミが国際的な問題であると感じたと同時に、ゴミを海に放棄する人が多いことに悲しくなりました。その他にもお店の前の草むしりや、店内の電球付け、壊れていたカヤックの修理など様々なことを清水さんのもとで働き経験することができました。

繋がりとご縁
息を呑むほどの美しい星空

 喜界島は人口約7000人、大きさは山の手線1周ほどで、地球温暖化の影響で海面上昇が起こるなか、年間平均約2mmずつ隆起している隆起性珊瑚礁の島です。サトウキビ、そら豆、みかん、黒糖、黒糖焼酎に加え、生産量日本一を誇る白ゴマが有名です。また、喜界島に誇りを持っていて、知人の知人を辿れば全員知り合いなのでは?というレベルで人と人との深い繋がりが広い印象を受けました。喜界島の人の温かさは都会の生活では経験できないものでした。知らない人でもすれ違ったら挨拶をするし、スーパーでレジに並んでいたら「たくさん買うから先にお会計していいよ」と譲ってくださったり、レジの店員さんには顔を覚えていただき毎回小話をしたりなど、とてもフレンドリーな方たちばかりでした。その他にもとても顔の広い清水さんのおかげで、SUPのインストラクターさんや農家さん、農家さんの可愛い素敵な奥さん、郵便局員の方、商工会の会長さん、郵便局の局長さん、観光物産協会の方、居酒屋の店主さん、ケーキ屋さんを営む方、役場の方、ENEOSの店員さん、ビリヤードバーを営む方、新聞社の仕事をしながら趣味で写真を撮る方、大阪出身でカフェを建てている方、阪神タイガーズの熱烈なファン、とてもすごい経歴を持つ先生、清水さんの奥さん、お子さん、お孫さんなど、たくさんの素敵な方とお話ができました。わたしの通う東京農業大学の副学長さんが喜界島出身であり、会話の種にもなりました。

 喜界島では多くの素晴らしい出逢いに恵まれましたが、特に印象に残っている方は、就業先の隣の家に住む少年野球の監督さんご夫婦です。わたしは高校時代にソフトボール部に所属しており、お仕事が終わった夕方に監督さんがキャッチボールを一緒にしてくださいました。ほんの30分程度でしたが久しぶりに運動をし、とても楽しい時間でしたが、後半は早くも筋肉痛に襲われてしまいました。その日の夜に清水さんともう一人の島キャン生がナイトダイビングに行く予定があり、清水さんが、監督さんとわたしでその間一緒に飲んでいてとおっしゃいました。ついさっき初めて会った方なのに突然家にお邪魔するのはとても恐縮でしたが、素敵な奥さんが美味しい料理を作って歓迎してくださいました。2時間ほど3人でお酒を交えながら島について詳しいお話を伺えました。最後に「また喜界島に来たときはチームの練習に行こう」とも誘っていただきました。偶然の出逢いから喜界島の方の暖かさを実感した出来事でした。最終日、喜界島で出逢った数名が朝早くから平日で仕事があるにも関わらず空港までお見送りにきてくださいました。本当に皆さん良い人で手を振って「またね」と言ってくださる姿に感動して涙が溢れそうでした。オーナーの清水さん、一緒に就労した島キャン生をはじめ、たくさんの方に出逢い、恵まれた素晴らしい2週間でした。

さいごに

 今回の島キャンへの参加は、わたしにとってとても勇気のいるものでした。島での生活や新たな出逢いへの憧れはありましたが、いくらホームページを見たり前年度に参加した方の報告レポートを読んだりしても、実際に自分が島に行く姿は想像ができませんでした。どのような人が集まるかも分からないけれど、このままの自分では一生なにも行動ができないと思い、とりあえず説明会だけ行ってみようと応募しました。そして喜界島での就労を終えた今、あの時行動してよかったなと思います。なにもアクションを起こさないままでは一生出逢うはずのなかった方々との素敵な出逢いに恵まれ、人の温かさをダイレクトに感じ、自分の人生観や価値観も大きく変わりました。いくらカメラロールを見返して友人に自慢しても喜界島の素晴らしさのすべては伝わりません。まだまだ自分の知らないことが世の中には沢山あって、とてもわくわくしてきました。この貴重な経験を今後に活かしていきたいです。

綺麗になりましターー
一本道でじゃんぷ
美味しい油そーめん