この夏見つけた第二の故郷
働く理由は人それぞれ違うと思います。私の周りでは、大学の学費や趣味のため、遊ぶためといった子が多く、正直私も「今日もバイトか、めんどくさー」と思ってしまうタイプでした。そもそもアルバイトは社会経験としてというのもあるけれど、私の中でどうしてもお金を貰うために、そこを最終地点として今まで働いていた気がします。
そんな私は夏の2週間の期間で、新上五島町にある「Hostel und Kitchen GOTO BASE」というゲストハウスで働かせていただきました。
最初緊張でガチガチになっていたのですが、さすが島人。とても温かく迎えてくださりました。
ここでの仕事内容は、洗濯、食器洗い、ベッドメイクをはじめとするお客様を迎える準備をしてから、チェックインされたらご案内から配膳、片付けといった流れです。
仕事業務といったものではないのですが、旅行や仕事でお一人様で来られる方が多く、普通のホテルとは違ってゲストハウスは、カプセルベッドの部屋以外の共同スペースで食事されるため、私もそこで一緒に夜ご飯を食べるという毎日を過ごしていました。
それがものすごく楽しい!もともと人の話を聞くのが好きなこともありますが、普段こうして自分の住んでいる地域と離れている方々と話す機会があまりないので、とても新鮮でした。
オーナーはゆるい方なので(もちろんいい意味で(笑))せかせか私に仕事を与えるといった感じではなかったのですが、早朝に出発される方の朝食のために睡眠時間を削ったり、港まで送り迎えをしたりと、オーナーのお客様に対する気遣いやおもてなし精神を見てたら、私もできる限りお手伝いしたいと思うようになりました。だからこそ自分から進んで行動していきたいと思い、その心境の変化が今回の最大の学びだと考えました。
働くことは全てが全てお金のためではない、やりたいことや興味のあることを実現するために自分がこうしていきたいと思えることだと思いました。
この2週間たくさんの素晴らしい出会いがありました。
もともと人見知りで自分から話しかけることはあまりできないタイプなので、島キャンではそれを克服することも目標としていました。
この島では、知らない人でもすれ違う際には「こんにちは」と挨拶をする。普段、私が住んでいる地域では、考えられないようなことが普通におこなわれていました。このギャップがあったからこそ、これならこんな私でも話しかけることができるかも、と思い勇気を出して自分から話しかけるようにしました。
私は島での休日によくサイクリングさせてもらっていたのですが、ある日、少し離れた地区まで来ていた時に、たまたますれ違ったご夫婦に「何しているんですか?」と話しかけたことから、あれこれとお話しして、私がこれからターミナルでご飯を食べてから帰ることを話すと、これからの天気の心配をしてくれて、更には電話番号を教えてくれて、「なんかあった電話してね、送るから」と仰ってくださいました…。 それから目的地でご飯を食べていると雨が降り始めてきて、ガチャっと扉が開いて、さっき出会った方が「心配だから迎えにきた」とお迎えに来てくださり、「こうゆう狭い街では助け合いが当たり前だっちゃけんね」と雨の中車を出して助けてくださいました。 その後そのご夫婦の住んでいる近くに行く予定があったので、連絡を取り合ってお家にお邪魔させてもらったり、あの時挨拶してお話しできたからこそ、こうしてここまで仲良くなることができました。
この2週間は私にとって新しい発見とチャレンジ精神でいっぱいでした。
今まで実家暮らしというのもあり、これだけの期間を家から離れたこともなく、1人で知らない土地に行くことは私にとってとても勇気のいることでした。
しかし、普段住んでいるところから出ることで、触れられる自然であったり、島の人の温かさであったり。それは都会を否定しているのではなく、いろんな方と出会い、考え方や価値観の違う人と話すことで視野が広げられ、なにをするのも新鮮で、とても充実した2週間を過ごすことができました。
こんなに帰りたくないと思わせてくれた島の方々、島キャンに関わる全ての方々に感謝したいです。
ありがとうございます。また行きます。