島キャン実施レポート

国直で過ごしたかけがえのない時間

2019年夏 奄美大島
NPO法人TAMASU
8.17〜8.28
日本体育大学 体育学部  片倉妃紗
関わること、繋がることの大切さ
仕事を楽しむ
supの準備、片付けは体力勝負

TAMASUでは、主にsupのツアーの補助を仕事として活動していました。supは操作が簡単で、立たなくても座ってできるため、子どもから大人まで楽しめるスポーツです。しかし、ガイドをしながらとなると大変さが増しました。お客さんに楽しんでもらいながら、写真を撮影したり、お話ししたりすることが最初はほとんどできず、自分のことで精一杯でした。また、波や風が強いと流されてしまい、置いていかれることもありました。休憩ポイントに着いた時は、疲れが顔に出てることがありました。しかし、お客さんからしたら、元々TAMASUで働いてる人も島キャンで来ている私も同じ従業員なので、ここで辛い表情をしていたら、良くない印象を与えてしまうと思い、できるだけしんどい気持ちを出さないように心がけました。

supツアー以外にもトビウオ漁やシュノーケリングツアー、タガメ獲りツアー、泳ぎ釣りツアーなどたくさんのツアーに参加しました。どれも地元を活かしたツアーばかりで楽しみながら大和村を知ってもらいたいというTAMASU代表の中村修さんの思いを強く感じました。

また、私が就業中に、あやまる祭りとひらとみ祭りがあり、国直にあるbee lunchというお店が祭りに出店するため、それの手伝いにも行きました。出店の手伝いはやったことがなくて、最初はぎこちなさがありましたが、自分のできることをやろうと思い、大きな声で呼び込みをしたり、笑顔で接客したりすることを心がけました。慣れてくると仕事を楽しむ余裕も出てきました。

お客さんから感謝の言葉を聞くと、すごく嬉しい気持ちになりました。神奈川に帰る時、前日にsupツアーでガイドをしたお客さんとたまたま会って、「昨日はありがとうございました。とても楽しかったです。」と言ってもらい、仕事は辛いこともあるけれど、誰かを楽しませることができ、自分もちゃんと役に立ててたんだと感じることができました。

国直愛を感じた日々
舟漕ぎ大会の打ち上げ

国直は大和村にある小さな集落です。国直では人と人との距離が近く、集落全体が家族のような温かさを感じることができます。集落の子どもは、親が育てるよりも集落のみんなで育てるため、親しみを込めて年上の人でも呼び捨てで呼んだり、「〜兄」「〜姉」と呼んでいて、本当の家族みたいでした。

私は、国直で働いて国直で宿泊したので、国直の魅力に気付くことができましたが、TAMASUでツアーに参加するお客さんの多くはツアーは国直でして、宿泊は別のところに泊まるというプランが大半でした。海やサンゴが綺麗なのも国直の良さだと思いますが、国直に泊まって島の人と関わることで、さらに国直の魅力に気付くことができると思うので、1日を国直で過ごしてもらうことが今後の課題かもしれないと思いました。

そして、何より国直の人たちは国直が好きで誇りを持っています。その国直愛を感じることができたのが、ひらとみ祭りの舟漕ぎ大会でした。国直は舟漕ぎで優勝したこともある強豪で、練習も熱の入り方が違いました。私は、重さ調整のため練習はもちろん、大会にも参加しました。練習はみんなが集まれる夜から始まり、仕事でみんな疲れているにも関わらず、優勝するために真剣に取り組んでいました。練習が終わった後は、公民館に集まって舟漕ぎの話をしていました。それくらい舟漕ぎにかけてると思い、自分も足を引っ張らないようにと真剣に取り組みました。大会当日は、みんなピリピリしていて緊張感が伝わってきました。ひらとみ祭りは、大和村の祭りで地元で優勝したいという思いも強かったと思います。試合前に、国直のチームの名前が呼ばれると国直のテントから応援の声や太鼓の音が聞こえて、国直が一丸となってることを感じました。結果は準決勝で敗退しました。私も悔しかったけど、漕いでたメンバーが1番悔しかったと思います。国直のテントに帰った時にお疲れ様、よく頑張ったねと言われたのがすごい辛かったと話していました。また、メンバーの1人が「ああ、夏が終わった。」と呟いていて、それは国直のことが好きで、国直を1番にしたかったという国直を愛してるからこその想いだと感じました。来年は国直が優勝してほしいです。いや、絶対に国直が優勝します!

帰って来れる場所
宮古崎からみた夕日

私にとって国直ってどんなところ?と聞かれたら迷わず「第二の故郷」と答えます。島キャンで2週間滞在する見ず知らずの私に、家族のように温かく接してくださいました。色んな人とたくさん関わっていくうちに、自分のポンコツさが出てくるようになり、国直に来た島キャン生史上1番ボロクソに言われた自信があります(笑)これでもかと厳しいことを言われたこともありましたが、それは自分が成長するための言葉で、どうでもいい人には何も言わないと思うので、今思うとすごい嬉しかったです。途中からは毎日のようにいじられてましたが、とても楽しい日々でした。

私は元々、趣味ややりたいことが少なくて、それを知った島の人が音楽や、旅、マンガ、スケボー、サーフィンなど色んなものを勧めてくれました。その中で私が前からやってみたいと思っていたサーフィンを見に行きました。生でサーフィンを見るのは初めてで、思っていたよりも難しそうでした。でも、波に乗れた時の快感を知ると辞められなくなると言っていて、私もそれを体験してみたいと思いました。また、スケボーもさせてもらいました。見た目はけっこう簡単そうなのに、乗ってみると真っ直ぐ立てないし、滑るのも上手くできませんでした。でも教えてもらいながら練習していくうちに、滑れるようになりました。練習を終えた頃にはすっかりハマっていました(笑)自分のために、やりたいことを与えてくれた国直のみんなには本当に感謝しかないです。神奈川に帰ったら、スケボーとサーフィンに挑戦しようと思いました!

本当は2週間滞在する予定でしたが、国直のことが好きになりすぎて、修さんに頼んで延泊させていただきました。最初はみんなずっといたらいいよと言ってくれてましたが、最後の方は早く帰れに変わっていました(笑)日焼けは地元の人より黒いのではないのかと思うくらい焼けました。最初に比べてみんな私への扱いが雑になっていたことも、全部が国直で過ごしたかけがえのない思い出になりました。国直での日々は自分を成長するためのきっかけになるものばかりです。離れているからとか、島キャンだからというだけの縁ではなく、またいつでも帰ってこれる場所が出来たことがすごく嬉しいです。次国直に戻る時は今よりも成長した自分であるようにしたいです。また10月に神奈川県大和市のお祭りで大和村がお店を出すみたいで、それを手伝ってほしいと言われて、こうして奄美にいなくても大和村や国直の人と関わることが出来ることをすごく嬉しく思います。

本当に国直の人と出逢うことができて良かったです!国直で過ごした時間は絶対に忘れないです。ありがとうございました!

宿から歩いてすぐの国直海岸
TAMASUの仕事場
TAMASUでお世話になった同世代のみんな