島キャン実施レポート

大好き与論!

2019年夏 与論島
SUPよろん
8/15~8/28
名古屋短期大学 英語コミュニケーション学科  あわのななみ
感謝しかない2週間
形のない仕事
龍介さんに撮ってもらった写真。就業中に「はい、撮るよ〜」と言って撮ってくださいました。優しい。日の出SUP最高です。

 私は「SUPよろん」にてSUPガイドのお手伝いをさせていただきました。就業としてSUPに乗った日が島に到着してから2日後だったのですが、島に来て、初めて壁に当たったと思いました。SUPがとても苦手だったからです。SUPに乗ったのは初めてでしたが、私は運動がとても苦手で、全然バランスが取れず、海に2回落ち、海水が鼻から入ってとても痛かったのを覚えています。このままではお客さんのサポートをするどころか自分のことで精一杯だし、明日からSUPの仕事がいやだと正直思っていました。けれど1週間くらい経った後にはSUPに乗るのが楽しくなっていました。就業初日から3日間ほどSUPを漕ぐのに必死で、自分のことで精一杯でした。ある日のガイド中、私のSUPを漕ぐスピードが遅く、お客さんの後ろで漕いでいました。この時本当はお客さんを先導しなければいけなかったのですが、私が後方にいたため、お客さんもゆっくり漕いでいました。その時、龍介さん(SUPよろんの代表)から「あわちゃん達(同じ就業先だったひなちゃんと)がそこにいたらお客さんもそっちに行っちゃうよ」と言われました。些細なことでしたが、仕事は責任のあるもので、自分のことだけ考えている場合ではないのだなと改めて思いました。ですがだんだんと慣れてきて、休憩中にお客さんとたくさんお話したり、SUPガイド中にも漕ぎやすいアドバイスをさせてもらったりしました。少しだけど自分で考えて、動けるようになれたのかなと思います。私がSUPよろんで学んだことは、常に相手のことを考えることです。相手の目線になって物事をみることは難しいけれど、自分がSUPに乗れるようになるまでに掴んだコツなどを踏まえて、「どうしたら今、お客さんは心地よくSUPができるのか」を考え、それをお客さんにアドバイスし、お客さんが喜んでくれたのが嬉しかったです。

 タイトルの「形のない仕事」というのは、役場などのように時間が決まっていて、これをしなきゃいけないというような事がなく、一回一回のツアーをどんなものにしていくかは、自分達次第であるのだなと思いました。将来大人になって「はたらく」形は人それぞれだし、自由でありどんなものにでもできるのだなと思いました。私は輝くかっこいい大人になりたいです。一度、龍介さんにインタビューさせていただく機会があり、その時「どうしてSUPよろんを始めたのですか」と聞いたら「SUPが楽しかったから」とおっしゃっていました。なんだか仕事とプライベートを別にしている感じがしなくて、仕事も楽しんでいるように見えて、とても素敵だなと思いました。好きを仕事にってよく聞きますが、本当にいいなと思いました。なので私も自分の好きを存分に活かせる仕事に就きたいなと思いました。

大自然!
なみさん(島キャンOG)に撮ってもらった写真。坂の上から海に沈んでいく夕日を撮る私たち。

 地域について学んだことは、自然が溢れていることと島の方々の優しさです。これは世間のイメージ通りなのかもしれませんが、本当に大自然でした(笑)。まず、どこの道を通っていても海が見えるし、夕方に少し高い場所から見る夕日は海に映ってとても綺麗でした。夜はヤモリの鳴き声がします。また、私の住んでいた宿のまわりは、街灯などが何一つないので、晴れていると満天の星を見ることができます。天の川や流れ星まで見えました。ちなみに私は人生で初めての流れ星を海岸で見ることができました(笑)。実は、今まで私は夕日を見るのがあまり好きではなかったです。なぜかというと、ああ1日が終わるんだ、と寂しくなるからです。しかも、虫も大の苦手で、自然のことにあまり興味がありませんでした。けれど、島で過ごしてみて、綺麗な夕日を見たりして自然って素敵だなと思えたし、夕日を見てもあまり寂しくならなくて、毎日違う空の景色を見るのが楽しみでした。夕日を見ながら自転車で家まで帰ったのもとてもいい思い出です。虫は大の苦手でしたが、見たこともないサイズのクモがとてつもなく大きいクモの巣を張っていたり、家の天井をヤモリが歩いていたりしてびっくりしました。また、海も見たことない綺麗さで本当に驚きました。龍介さんは、「人間が海にお邪魔させてもらっいる」とおっしゃっていて、自然に対してそんな風に考えた事がなかったので、自分がとても惨めに思え、虫がいるだけで叫んでいた自分もとても恥ずかしく思いました。そうしたら、虫が嫌だとあまり思わなくなりました。(Gは苦手ですが)。

 島で過ごして、自然が大好きになったし、いろんな景色を見るのがとても好きになりました。いまでは、毎晩見ていた星空がとても恋しいし、ヤモリの鳴き声もせず、少し寂しいなと思っています。

しまんちゅ
たくさんの人と出会った皆田海岸。最終日の皆田の潮はとても引いていました。

 最後に。島の方々は温かい人たちばかりです。初めて海岸に行った日、海を眺めていたら少し遠くから「こっちおいで!魚見せてあげる!」と声をかけてくださり、釣れた魚を見せていただきました。そしてその場で連絡先を交換し、翌日にご飯に誘っていただきました。そこにはたくさんの方がいて、みんな優しく迎えてくださいました。もし都会で声をかけられ、その場で番号を交換するなんて聞くと、少し危ない印象がありますが、島では不思議。すぐにいろんな方と仲良くさせてもらいました。また、その日に海岸から買い出しに行こうと出かけましたが、お店まで歩いて30分くらい距離がありました。自転車が壊れていて乗れなかったので歩こうとしたら、さっき海で会った名前も聞けなかった方が後ろから車で来て、「送っていってあげる」と言ってくださいました。いきなり来た知らない私たちにこんなに優しくしてもらってありがたさでいっぱいでした。また、就業期間中にサンゴ祭りという年に一度のお祭りがあり、島のバンドを披露するステージがあったのですが、せっかくだからと島キャン生をバックダンサーとして誘っていただきました。また毎晩のように歓迎会や送別会などに誘っていただき、たくさんの方と出会い、与論献奉をしました。「与論献奉」というのは与論に伝わるお客さんを歓迎する伝統儀式で、基本は与論島で作られた「島有泉」という黒糖焼酎を一つの杯で回し飲みするというものです。始めに親と呼ばれる人が自分で飲める量を注ぎ、自己紹介のようにひとこと話してから島有泉を飲み、それを回していくというものです。これをすると皆と一気に仲良くなれます。これはロックかストレートで飲むのですが皆優しくて、女子には氷をたくさん入れてくれます。ただ、飲み過ぎには注意です。また、ある日の夕方、同じ宿だったみんなと、家まで帰ろうと坂を自転車で漕いでいたのですが、自転車が一台壊れました。一旦止まって、みんなでどうしようと、悩んでいたら、それを見かけたおじさんがどうしたの?と声をかけてくださり、その場で自転車を直してくださいました。その時おじさんが、錆びている自転車を見ながら、語りかけるように直してくださりそれを聞いてなんだかとても感動しました。物に溢れている島ではないからこそ、物を大事にするということはとても大切なことなんだな実感しました。

 全ては書けないけど、本当に島の方々は優しくて見ず知らずの私たちにここまで優しく、いろんなところにお誘いくださり、本当に良くしていただきました。また、島のコミュニティはすごくて、海岸に行けば「よう!」と、昨日会った人が声をかけてくださり、どこかで「あの人が」と名前を言うと、だいたいみんな知り合いだし、島全体がファミリーという感じがしました。私も人とのつながりはすごく大事にしたいと思ったし、常に人に優しくできるようでありたいと思いました。そして、島の方々との出会いだけではなく、いろんな所から来ている方々とも出会えました。島で会うからこそ仲良くなれる。島はなんて素敵なんだと何度も思いました。いろんな方から様々なお話を聞けて、すごく勉強になったし、自分もこういう人になりたいなと何度も思いました。特に同じ就業期間のみんなと出会えたのがとても嬉しかったです。同じ2週間をこの5人で過ごせたのが何より楽しかったです。ずっと仲良くしたいなと思います。

 最後に、龍介さんから修了証をいただいたのですが、そこに書いてあったメッセージに、「帰ってこいよー。」と書いてあったのがとても嬉しかったです。なのでまたみんなで与論に帰ろうと思います。

共通のお休みの日にみんなでダイビングした時。これは割と必死に砂浜にしがみついている写真(笑)
池田家でお世話になったアチャ(お父さん)とアンマー(お母さん)と。そうやって呼ばせてもらったことが嬉しかった。とーとぅがなし
こんなに大きな太陽見たことない!