島キャン実施レポート

人間とはないものねだりないきものだ

2017年夏 沖永良部島
gusto
2017年8月16日~8月29日
関西外国語大学  鈴木 なつみ
島に行って変わったことと変わらないこと
働くについての色々な形

私の就業先のgustoは島の中で唯一のイタリアンレストランです。オーナーは外国で修行をしていらっしゃったらしく本格的なイタリアンを提供していました。私が就業し始めたのはお盆あたりだったのでとてもバタバタしていました。正直島のイタリアンなんてお客さんの数は知れているだろうと思っていたのでこんなに忙しいとは、っと自分の中のイメージを悔やみました。やはりイメージと実際のことは違うのだと自分の目で確認する事が必要であると感じました。基本は何組かお客さんが来ていたのですが、1日だけお客さんが一人の時がありました。店の売り上げとしては良くないのですが、バイトの私としては、嬉しい事がありました。いつもバタバタしていてお客さんとコミュニケーションは取りにくかったのですが、この日は一人のお客さんと2時間話していました。都内のカフェとかではこんな事なかなかできないと思いますが漁師であることや、島の人の宗教、島田の楽しみ方を聞いてとても有意義な日になりました。

ないものねだり

とても便利でした。都会とは言い難いけれど生活に必要なものは揃っていて、ぎゅっと小さくまとまっている、そんな感じの島でした。都会にはない、星の綺麗、海の綺麗さ、暑さ、3時のラジオ体操、噂の広まりの速さ、開店時間になっても掃除機をかけ続けるお店、大量にもらえるマンゴーなどなど、初めは戸惑いがあり、感動し、家族に報告する日々でした。しかし日が経つにつれ、自然な風景になり、感動を覚えなくなる。自分は違うと思っていたけれどありがたみを感じにくくなり、慣れにくくなってしまう。2週間終わるときは正直、帰りたくないって感情よりも慣れてしまった島にまた帰ってくるような、いってきますの感情に近かったです。大阪に帰ってきて、ビルを見て唖然。自分は島の人では無かったのだ、って実感した後はすぐ島が恋しくなりました。

リアル

島の方々は基本優しくて本当に沖永良部に悪い人はいないんじゃないかっていうぐらいでした。でも、現実はそんなに甘くない。島の裏事情も聞きました。こんなこと書かないほうがいいのかも知れないけれど、これも現実だという事、島は楽園だっただなんてただの綺麗な記憶に変えてしまうの違う気がするので書き込みたいと思います。gustoで働いているときに東京から沖永良部に来たという女性と会いました。沖永良部に来てどうですか?と質問し、最高、と答えが返ってくのだろうと思っていたのですが、返って来た答えは意外なもので、大きな選択ミスだったって事でした。自分はたった2週間、島キャン生としてひょこっと島に来て、島の人から話を聞いて島のことをわかったような気がしていたけど、世の中そんなに甘くない。確かに2週間で学んだことはたくさんありました。農業を新しい形にしないと儲からない事や、五分でレジンが固まるほど紫外線が強い事、鍵を閉めないなどの緩い文化はあるが交通ルールはしっかり守らないといけない事、物価が高い事。これらの事は、私の元々のイメージとは違い、島に来てわかった事です。でも現実を知るにはもっともっとたくさん島での時間を過ごさなきゃいけないのです。私は甘かった。島のことを語る前に島に最低3年行なければいけないと感じました