島キャン実施レポート

愛と縁の島 沖永良部

2017年夏 沖永良部島
リリーファーム安田
2017年8月16日~8月29日
明治大学 国際日本学部  宮本 千尋
ゆったりと流れる時間の中で私が見つけた島の魅力
最も大切なことは人との繋がり『縁』をつないでいくこと
注文を受けてかき氷を削っている様子

私たちの主な仕事はワンジョビーチでのかき氷の販売でした。毎日かき氷を食べに来てくださる常連さんはもちろん、始めてかき氷を食べてくださった方にも、ただビーチを訪れた方にも、この島で出会ったのは何かの縁。そう思って積極的に会話を楽しみました。すると、みなさん私たちの顔を覚えて街で声をかけてくださったり、差し入れに島でとれたマンゴーや島バナナをいただいたり、島の方言を教えていただいたりと、たくさんの島人の温かさに触れ、縁がどんどん広がっていきました。私は普段、居酒屋でアルバイトをしています。料理を運んで片づける、それだけで確かにお給料はもらえますが、それだけじゃもったいない。もっとお客さんとの会話を楽しんでみよう、島以外の場所でも自分の心がけ次第で縁はどんどん広げていけるはず、そう考える様になりました。

誰もがまた帰りたいと思う心のふるさと
字のお祭りに飛び入り参加

沖永良部島で最も印象的だったのは島人の島への愛の強さです。そして愛する島の良さを、島の外から来た人にも知ってもらいたい、分かち合いたいとう熱い思いを持った方々がたくさんいらっしゃいました。誰もが口をそろえて、「えらぶは良いところだよ。」と言います。そして「友達の友達は友達」という言葉をよく耳にしました。きっかけは何であれ、島で出会った人はみんなが友達・家族、と言ってたった2週間の滞在の私たちのことも温かく歓迎してくださり、帰るころには、私にとっての沖永良部島もすっかり第二のふるさとになっていました。
個人的に離島では若者の流出が深刻というイメージを持っていましたが、沖永良部島では進学や就職で一度は都会へ出た後、再び島に帰ってきた若い方々に多く出会いました。子育ては島でと思い帰ってきた人、島で就職した先輩を見て、大学卒業後は島に帰ってきたいと話す中学生など、上の世代から下の世代へ島を愛する気持ちが受け継がれ、それがさらに若い人々の島で暮らすという選択に繋がっているのだと感じました。

自分の将来を見つめなおした2週間
お世話になった方々に見送られ、思わず涙

2週間を通じて島の方々の地域への想いに触れたことで、地元の町役場に就職し、地域の若者や子どもたちがずっと住み続けたい、必ず帰ってきたいと思えるふるさとづくりに携わる、というこれまで胸の内にぼんやりと描いていた夢が、確かな目標に変わりました。愛と縁を大切にする沖永良部島の心を、遠く離れた埼玉の地でも繋いでいくことができたらと思っています。苦しくなったらいつでも島に帰っておいでと言ってくださる温かいリリーファーム安田の皆さんに出会えたこと、思い出すだけでワクワクするような、沖永良部島で過ごした素敵な思い出が私にはあること、これらは私にこれから先どんなことにでも挑戦できるし、どんなに挫折しても必ず立ち直れる、そう思わせてくれます。大学4年生で島キャンに参加するのは遅すぎるかなと一時は悩みましたが、思い切って参加して本当に良かったです。