皆を迎え入れる あたたかい場所、奄美大島
1日8時間、週5日働くのは、私にとって初めてのことでした。アルバイトで8時間勤務をすることはあるけれど、それを週5日続けるのはまずないこと。そのため、「一般的な8時間勤務って、思ったより長いし大変だなぁ」というのが、はじめの正直な感想でした。しかし、レストラン業は毎日同じことがないので、新しい発見に溢れていました。リゾートということもあり、お客様の大切な思い出の一コマになるのです。ありがとう、と言っていただけると、とても嬉しかったです。
また、10日間の勤務を終えたあとの「あなたたちが来てくれて助かったよ。ありがとう。」というレストランの方の言葉には、頑張ってよかった、と本当に嬉しくなりました。自分が何かすることで、誰かの力になれることをしたい、と改めて感じました。
就業し始めて早々、私は問題にぶち当たりました。持ってきたローファーがきついのです。1日8時間働くと、脚も浮腫んでパンパンになり、2日目には歩くだけでも、かなり辛くなってしまいました。近くに靴屋さんがあるかどうかレストランの方々に聞くと、なんと あるパートの方が、自分の買い置きの靴があるから、明日持ってきてあげるよ、と言ってくださったのです。まさか他人の新しい靴をお借りするのは申し訳ない、と伝えたのですが、「最初は少しきついから、履きやすくしておいて」と。さらにその日も、「靴痛いんでしょ?」と他の先輩が 靴を貸してくださりました(こっちも新しい…!) 普通だったら、例え知っている人にであっても、長期間靴を、それも新しいものを貸すなんて、ありえないことです。相手が何かをしてくれたから、自分も何かしてあげる、というgive and take の都会文化が、奄美には全くありません。いわば、give and give の懐の広さ。そんな奄美の人たちの優しさが、何よりの島の魅力であり、訪れる人の心を掴んで離さないのだと思います。
奄美大島を離れる日、ばしゃ山村でお世話になった私たち2人は、支配人から初めてゆっくりお話を伺いました。そこで印象的だったのは、「自分のやろうとしていること、やりたいことは どんどん口に出したほうがいい」という言葉です。口に出すことで初めて、その思いが伝わり、周りの人たちが協力してくれる。また思ってもみなかったところで縁が繋がって、夢の実現に近づけるとおっしゃっていました。
思えば、島キャンでの活動でも、自分の思っていることを素直に伝えることで、助けをもらえることも多かった気がします。
これからも、例えばそれが自分の迷いだったりしても、人に伝えてみることで、自分にはなかったものを得られればと思います。そして、夢は語ろう、と。まずは、その夢を鮮明にすることからスタートです!