島キャン実施レポート

自分を知ることが出来た2週間

2018年夏 与論島
与論町役場 商工観光課
8/15~8/28
亜細亜大学ホスピタリティ・マネジメント学科  清水 智敬
~綺麗な海・優しい島の人々と過ごした日々~
2週間職場にいて⋯
ヨロン・サンゴ祭り準備中

今回、私が就業した事業所は、与論町役場・商工観光課です。自分が大学で観光コースに在籍しているので、島の観光事業はどのようにおこなわれているのかを見てみたくこの事業所を選びました。

まず最初に、実際に2週間過ごしてみて強く思ったのは、町全体を支えるための仕事の方が多いことでした。

イベント会場の設営や台風対策準備、使った道具などの維持管理といった地味な仕事をこなすことが多く、自分が「観光課」というものに対してイメージしていたものとは大きく違いました。今回の第2タームでのイベント関係の仕事は、台風の影響で延期になった与論島のメインイベント「ヨロン・サンゴ祭り」と、8/25に東京・秋葉原で開催された「ふるさと甲子園」に向けた準備や告知をおこない、他には観光施設の施設整備などといった仕事でした。力仕事も多く、やることがとてもあるなと感じましたが、自分がそのイベントの運営や街の環境維持に関われていると考えると、「働きがい」というものを少し感じることが出来ました。役場でやる仕事は少し地味なものが多く目立つものではないので、誰かが見ているわけではないです。ただその仕事が今後島の活性化を促進していく上で、土台の部分を担う重要なものだと気づくことが出来ました。「観光」だけで言うと、観光客をどのように楽しませるかを考えるのではなく、どのようにしたら多くの方に来てもらえるか、来てもらってから快適に過ごしてもらえるように環境づくりをする、といったことがこの商工観光課の仕事だとわかりました。土台の部分は地味ながらも重要な役割なので、商工観光課が担っている仕事を間近で見れてよかったです。

与論の魅力

与論島は、海がとにかく綺麗な島として知られているところで、評論家の方など様々な人から高い評価を得ている島です。海だけでなく、湿度が全くないので空が澄み切っており、朝日や夕日、星空など島のどこからでも綺麗に見ることが可能で自然を感じられる要素が多くあると感じました。大きなリゾートや商業施設がなく、ゆったりと穏やかな時間が流れているので、2,3日過ごせば、初めから自分は島の住人だったのではないか、と錯覚してしまうぐらい居心地がよくなってしまう場所だと感じました。この時感じた感覚が、島に来た人だけが受ける特有のものなのかとも思いました。他には、旅人をもてなす文化があり(与論献奉)、初対面でもすぐなかよくなれる文化があります。旅先の方々と一緒にお酒を飲むと考える人は少ないのではないでしょうか?このような文化があることも、旅人が求める「非日常的なことを体験する」といったことに十分に答えることが可能だと考えたので、「与論島」をPRしていく上でとても重要なポイントだと感じました。

その一方、与論島をPRする際に気になっていた、地元の方々は、島にたくさんの観光客を誘致としていることに対してどのように思っているのか聞いてみました。すると、観光客が増えて盛り上がるのは良いが、その時に来る外部からのビジネス参入については慎重な構えで進めているそうです。他の島での事例を考慮しながら物事を進めているそうですが、そもそも与論の方々は、自分たちの土地に誇りを強く持っており、簡単に手放す人はいないということでした。この2週間で感じた与論島の素晴らしさは、このような地元の人々の思いから成り立っているのだと強く思いました。

2週間の振り返り

この2週間の振り返りをすると、この与論島での日々は、今までに体験したことのない最高なものでした。豊かな自然や温くて優しい地元の方々と一緒に過ごせた時間は、東京では感じられないものだと思いました。私は島に行く前に島キャンOB&OGの方々から、「一度行ったら恋しくなるよ!」と聞いていました。それを自分もしっかり感じられるのかと思いましたが、帰ってからより一層与論での時間がかけがえのないものだとしみじみ思い、今すぐにでも戻りたい気持ちでいっぱいになりました。与論の居心地がとてもよかったためか、島にはいって2,3日したら、あたかも初めから住んでいたかのような感覚がありました。逆に与論から東京に戻る際に、東京に近づくにつれ違和感が出てくるといった初めての感覚に陥りました。ヨロン観光協会の方がおっしゃっていた「心に残る、優しさの島」、この言葉の通りに私自身感じていたんだと思いました。これからは、自分が感じた与論の素晴らしさを周りに広め、もっと与論を知ってもらい、実際に訪れてもらえるようにしていきたいと思います。

もう一つ、仕事の面で話させてもらうと、今の自分に出来ることがとても少ないことを強く感じました。

このインターンが始まる前は「何事も積極的に動こう!」と意気込んでいましたが、いざ就業し始めると指示を待ってしまっているいつも通りの自分でした。最初だから、と言えるかもしれませんが、やれる子はすぐ行動していて、なにより現代の世界は自分で動く積極性が重要視されています。その重要性をわかっているつもりでしたが、なかなか動けませんでした。あとから振り返ると、あの場面でこのようにすればよかった、もっとこうするべきだった、といったことには気づきますが、良くも悪くも実際になにをおこなったかがこのインターンで大事な要素だと思うので、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。

技能の面でも、この与論島をPRするためにどのような手法でおこなうかと考えたとき、SNSを主体に発信していこうと思っていましたが、今までの島キャン生が動画などを作って宣伝していったことを聞きました。動画も含め、今までの先輩方がやってきたことと、これから自分がやろうとしていたことには大きな差があると思いました。自分が持っている手段の選択肢が少ないことと、なにより工夫がまったくもって足りないといったことです。人は人、自分は自分ですが、それにしても行動できる範囲がとても狭いことを痛感しました。ですが、この機会で自分自身の改善すべき点がはっきり分かったことを前向きに捉え、今後の生活に生かしていきたいと思います。

百合ヶ浜で星の砂を必死に探しているとき。砂浜は完全に顔を出すことはありませんでしたがとても綺麗でした!
1週間延期になっていたヨロンサンゴ祭りでの花火!音楽を流しながら打ち上げられる花火は最高でした!
新しい観光冊子作成のため島の各スポットをまわっているとき。ここから見る景色は解放感がすごかったです!